研究課題/領域番号 |
10620069
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
森邊 成一 広島大学, 法学部, 教授 (50210183)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 地方自治 / 地方事務所 / 町村会 / 戦時行政 / 戦後改革 / 郡制 / 町村長会 |
研究概要 |
科学研究費補助金を得て、郡制廃止一九二三年、郡役所廃止一九二六年以後の、郡域における広域的な地方行政を、研究した結果、概ね次のような結論が得られた。 郡役所廃止後、府県知事ー郡長・市長(郡・市長会議)ー町村長(郡町村長会議)という指導・監督ルートは、府県ー市町村長会議というルートにとって代わられた。しかし、郡域の行政問題の自主的な協議機関として郡町村長会が存続し、町村役場吏員の処遇問題、郡域の地方利益の集約、教育会・尚武会・郡農会等の郡域団体の管理運営を協議した。 ところが、日米開戦によって、いっそう行政町村が、戦時動員・国策遂行機関に特化して行く中で、地方事務所が、市町村に対する戦時行政の指導監督機関として設置された。地方事務所は、当初、法令上の独自の権限は有しないとされたものの、内務省は、知事の許認可権を地方事務所長が専決(代決)することとし、地方事務所長が、事実上、知事権限を行使することとなった。さらに、戦局の深刻化にともない、一九四四年までに、府県の権限は、代決処分事項の拡張という形で、地方事務所に大幅に委譲され、地方事務所は、戦時行政の「名実共ニ第一線機関」となった。 敗戦により、戦後改革の一環として、地方自治法が制定され、府県ー市町村の関係も平等なものとされた。しかし、日本社会全般に対する戦後改革・民主化が、上からの画一的な改革としてなされたために、市町村の改革を指導する機関として、地方事務所が維持され、むしろ、民主化を理由として、いっそうの強化・拡充がなされた。その後、地方事務所が実地に指導する市町村合併によって、市が増加し、町村の行政能力が向上するにつれ、町村の指導機関たる地方事務所は、府県の財政なくもあり、昭和三十年代に、廃止・改組・存続・再配置等の様々な対応が、各都道府県によってとられ、今日におよんでいる。
|