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イギリスにおける救貧法論争と福祉国家の成立に対する経済思想の影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10630004
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経済理論
研究機関早稲田大学 (2000-2001)
一橋大学 (1998-1999)

研究代表者

渡会 勝義  早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (80097196)

研究期間 (年度) 1998 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード救貧法 / マルサス / リカードウ / タウンゼンド / ペイリー / ベンサム / コプルストン / 貯蓄銀行 / 古典派経済学 / 貧困 / 救貧論 / ワークハウス / 貧困問題
研究概要

本研究計画の中で最も重要な位置を占めるのは、マルサスの救貧論とその救貧法論争と現実の救貧政策への影響の研究である.マルサスは、救貧法は貧困の救済を目的としながら現実には貧困をかえって増加させる効果をもったとみて、その廃止を主張する.マルサスによれば、貧困の根本的原因は人口の原理にあり、それを長期的に軽減する唯一の効果的な方法は道徳的抑制の労働者間への普及であった.そして労働者階級の幸福を最もよく増進する経済として、農業と工業が半々程度存在する農工並存経済を提示し、その実現のためにある程度の農業保護政策を擁護した.またマルサスは、その一般的供給過剰の考えによって公共事業への失業者の吸収を貧困の短期的な救済策として提案した.マルサスの救貧法廃止論は救貧政策に大きな影響を持った.これとわせて、マルサスに先立って人口と貧困の問題についてマルサスに近い議論を展開していたJ.タウンゼンドの議論を研究した.リカードウの主たる関心は経済発展にあり貧困問題についてはほとんど書き残していないが、貧困問題にも強い関心を持ち、労働者階級の貧困軽減のために貯蓄銀行の設立と運営に積極的にかかわり、書簡の中で貯蓄銀行との関連で貧困問題についてかなり議論しているので、それを研究した.リカードウはマルサスと同様に救貧法の廃止を主張した.最も影響力のあった救貧法擁護論としてW.ペイリーの議論を取り上げた.ペイリーの著作は長い間大学で教科書として用いられ、社会の支配階階級である地主層に強い影響を与えた.また18世紀末に貧困問題に関心を持ち、効率的な救貧を目指したJ.ベンサムの救貧法改正論についても研究した.ベンサムは救貧法の必要性を認め、大規模なワークハウスを全国に設置し、自立採算を原則とする救貧の実現を目指した.ベンサムの救貧論は1810年代の救貧法廃止論の高まりの中では無視されたが、1834年の新救貧法にはE.チャドウィックを通じて大きな影響を与えた.最後にマルサスやリカードウの救貧法廃止論を批判したコプルストンの議論を検討した.コプルストンは救貧法には貧困を増大させる本来的な傾向はなく、貧困は貨幣価値の低下によって生ずると見て、貨幣価値の低下の影響に対する対抗手段としての救貧法の必要性を主張した.マルサスもリカードウも、コプルストンの批判を深刻に受け止めたのである.

報告書

(5件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 渡会勝義: "マルサス『人口論』の救貧法への影響"マルサス学会年報. 8. 13-35 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 渡会勝義: "マルサスにおける重農主義・農業主義・農業保護論-最近の研究から-"経済学史学会年報. 36. 103-110 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 渡会勝義: "大村照夫著『新マルサス研究』晃洋書房、1998年"マルサス学会年報. 10. 55-58 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 渡会勝義: "デイヴィド・リカードウの救貧論と貯蓄銀行"一橋大学社会科学古典資料センター. 61 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Katsuyoshi Watarai: "Influence of Malthus's Essay on Population on Poor Laws"Annual Bulletin of Tte Malthus Society. No.8. 13-35 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Katsuyoshi Watarai: "Malthus : Physiocracy, Agricultural System and Agricultural Protectionism"Annuals of the Society for The History of Economic Thought. No.36. 103-110 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Katsuyoshi Watarai, Teruo OHMURA: "Malthus Revisited 1998"Annual Bulletin of The Malthus Society. No.10. 55-58 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Katsuyoshi Watarai: "Devid Ricardo on Poverty and Banks for Savings Study Series No.45 , Center for Historical Social Science Literature"Hitotsubashi University. 61 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 渡会勝義: "デイヴィド・リカードウの救貧論と貯蓄銀行"一橋大学社会科学古典資料センター. (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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