研究課題/領域番号 |
10630021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済統計学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
山本 拓 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50104716)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 計量経済モデル / 仮説検定 / Wald検定 / ラグ変数追加法 / 可変ラグ / 時系列モデル / VARモデル / モンテカルロ実験 / 非定常時系列分析 / ワルド検定 / ベクトル自己回帰モデル / 小標本特性 |
研究概要 |
一般に回帰モデルの説明変数が非定常である場合、係数パラメーターに関するWald検定の検定統計量は、非標準型になりうる(すなわち、カイ二乗分布にはならない場合がある)ことが良く知られている。この場合の解決策として、Wald検定統計量が、通常のカイ二乗分布に従うので、(非定常性を前提とした)他の高度な方法よりはるかに簡便で実用性が高いことをそのメリットとして、ラグ変数追加法が提案された。なおラグ変数追加法は、説明変数が非定常の場合に有用な方法として提案されたが、定常の場合にもそのまま使えるのことも実用上の多いなる利点であるとして知られている。 平成10年度においては、これまでVARモデルについてのみ適用されていたラグ変数追加法を一般の動学的計量モデルにも適用可能であることを理論的に示した。さらに、ラグ変数追加法は、検定のパワーが弱いことが短所であるとの指摘を受けていたが、動学的計量経済モデルにおいて、一般的には1期ラグではなく、より長期のラグ変数を追加することにより、Wald検定の検定統計量のパワーを増大させることができることを示した。平成11年度においては、より包括的な実験を行って、追加変数に用いる適当なラグの長さの選択方法について、係数推定量の一般化分散を用いる基準を提案した。さらに、これまでラグ変数追加法は最小二乗法(OLS)が適用可能なモデルの場合についてのみ考察されてきたが、説明変数と撹乱項に相関があり、操作変数法の適用が必要な場合についての拡張を行った。多量のシミュレーション実験を行い、小標本での特性を調べると同時に、本研究で提案された方法が、実際的にも有効であることを確認した。
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