研究課題/領域番号 |
10630063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
西村 豁通 同志社大学, 名誉教授 (80066050)
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研究分担者 |
小松 満貴子 武庫川女子大学, 非常勤講師
大塩 まゆみ 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (90269738)
岩見 恭子 九州大谷短期大学, 福祉学科, 教授 (60086056)
古橋 エツ子 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (90219121)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ホームヘルパー / 訪問介護 / 家族介護人 / 社会保障のジェンダー化 / ジェンダー・バイアス / 介護保障制度 / 介護の市場化 / ホームヘルパーの専門性 / ホームヘルプサービス / 介護保険制度 / 介護労働 / 女性労働 / 福祉産業 / 高齢者介護 / 在宅ケア / 高齢者保健福祉 / 家事労働 |
研究概要 |
人口の高齢化・介護ニーズの増大により、ホームヘルプサービスは不可欠な在宅福祉サービスとなっている。しかし、ヘルパーの多くは登録制やパートで働く短時間雇用の主婦であり、2級養成研修を職業訓練としてというよりも、むしろ自分や家族のために受講している現状がある。ホームヘルパーは、既婚女性が家庭での主婦業と両立をしながら社会参加できる場であるが、労働者性が希薄である。ほとんどのホームヘルパーは、直行直帰方式で高齢者に家事・介護サービスを提供しており、職場への帰属意識やプロ意識が未発達で、身分保障や待遇が十分ではない。 介護保険により、民営のホームヘルパー派遣事業所が増えたが、一層労働条件が悪化することが懸念された。そこで、ホームヘルプサービスの供給主体ごとにヘルパーの労働条件や勤務形態・教育研修・労務管理等を明らかにし、その課題を探った。 ヘルパーへの質問紙調査からは、多くのヘルパーが夫の被扶養配偶者の範囲内で働いており、今後もその枠内で働くことを望んでいることがわかった。しかし、そのような働き方では、ヘルパーの技能やサービスの質・社会的評価・専門性の向上を期待できにくい。 ホームヘルパー派遣事業所に対しヒアリング調査と質問紙調査を介護保険制度導入前後にしたところ、その時点では、労働条件や労働者保護対策を改善させようとしている事業所が少なかった。介護保険制度開始前後には、ホームヘルパーの流動性が高まり、民営事業所では人員削減もあった。短時間雇用ヘルパーは、需給の調整弁となっており、労働者としての待遇や身分保障が不十分である点は改善されていない。介護保険によりコスト削減に拍車がかかり、必要な研修経費を抑制しようとする事業所もあるが、サービスの質向上のためには、今後は一層教育研修が必要である。 介護保険では、競争原理によってサービスの質を向上させることが意図されているが、むしろ必要なのは、ホームヘルパーの労働条件の改善と研修機会の確保である。
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