研究課題/領域番号 |
10630071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
弁納 才一 金沢大学, 経済学部, 助教授 (90272939)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 華中農村 / 経済構造 / 近代化 / 手工業 / 連続性 / 農村経済 / 地域間分業 / 農業経済 / 発展 / 土布業 / 新興手工業 / 構造 / 転換 / 農村地域社会 / 変化 |
研究概要 |
4年間に、中国農村経済の「近代化」過程を批判的に再検討するために、以下のような研究を行なった。 すなわち、第1編、農村経済構造と品種改良事業(第1章、1934年の)大早害から見た華中東部農村経済。第2章、浙江省稲麦改良事業。第3章、浙江省蚕種改良事業。第4章、浙江省棉花改良事業。補論1、アメリカ棉種の受容に対する地域別反応。)と第2編、華中東部における土布業の変容(第1章、土布業に関する研究動向。第2章、上海土布業の「近代化」再考。第3章、蘇南土布業の二極化。第4章、蘇北土布業の二重性。補論1、米生産をめぐる蘇北と蘇南の経済関係。第5章、浙江省土布業の展開。補論2、土布業の衰退と手工業の新たな興起。)である。 以上の分析を通して、以下のような結論に達した。 すなわち、1930年代に自然災害による被害の程度や各種農産物の改良品種に対する受容と拒絶という各農村地域に表出した差異は、各農村地域の経済構造の差異を反映していた。商品経済の発展していた農村地域では災害によってもたらされた被害はより一層深刻となり、また、稲作や麦作とは違って、工程分離が成り立つ蚕糸業や綿業では改良種の受容に対する抵抗が強かった。一方、20世紀前半における華中東部の土布業は、農村経済の先進地域から発展段階の高い生産パターンを発生させていったのではなく、各地域間で分業関係を展開しつつ、多様な生産パターンから構成される生産構造を形成し続けた。 このように、農村経済構造を解明することは、農村経済の動態を理解する上で非常に重要だった。
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