研究課題/領域番号 |
10630111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
延岡 健太郎 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90263409)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | CAD / 製品開発 / 開発組織 / 設計 / 組織構造 |
研究概要 |
CAD技術およびその活用方法が著しく変化し、製品開発のあり方を根本的に変革している。CAD技術としては、主体が2次元から3次元ソリッドへ変わりつつある。従来の2次元CADの役割は、図面を効率的に描く道具としてのものであった。しかし、3次元ソリッドCADは新しい役割をもち、開発設計のタスクを変革する。新しい役割を可能にする機能としては次の3点が主なものである。第一に、設計者は完全形状を設計することができる。第2に、デジタルモックアップによって、設計段階から製品全体の整合性をチェックすることができる。第3に、設計データを比較的容易にシミュレーションや解析に利用できる。しかし、導入することは容易ではなく、日本企業は米国企業と比較して効果的な活用がすすんでいない。 そこで、日本の製造企業169社の郵送調査結果から、3D-CAD普及の現状と効果的なマネジメントについて明らかにした。まず、65%以上が既に3D-CADを導入しているにも関わらず、それをメインの設計ツールとして利用しているのは10%にも満たない。うまく導入するためにはいくつかの条件があることがわかった。第一に、異なる機能部門間や関連企業間での情報交換の促進して、結果としてコンカレントな開発プロセスを実現する技術として3次元CADを位置づけることであった。第二に、開発タスクの境界を再定義したり、人的資源を再配分するなど組織構造も同時に改革することである。第三に、全社的な改革が必要なため、設計部門が主体となって導入するのではなく、全社レベルの専属部隊によって推進することである。これらの結果は、3次元CADの普及を進めてその潜在能力を引き出すためには、各機能部門での部分最適化に陥らず、開発プロセス全体の最適化を達成できるような戦略的姿勢と組織的仕組みが必要であることを示唆している。
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