平成11年度は、文献レビューおよび過去に行ったパイロット調査および新規に行ったケース研究に基づいて、暫定的な質問票を作成し、サーベイ調査を1社について実施した。平成12年度には、その研究成果について、5月に行われたEAA(ヨーロッパ会計学会)の年次総会(於:フランス・ボルドー)および9月の日本会計研究学会全国大会(於:京都)において、研究発表を行うとともに、10月にシュットガルト大学ホルバート教授やドイツの産業人からコメントを受けながら、いくつかのケース研究を積み重ね、ミニ・プロフィットセンターにより組織を活性化するには、以下の条件が必要なことを実証した。(1)「任せる経営」を実現する組織カルチャーがエンパワメントの要件であろう、(2)会計が共通言語となることがエンパワメントの要件であろう、(3)マーケット情報の水平的情報共有がエンパワメントの要件であろう、(4)トップ・マネジメントから現場に至る全社的な垂直的情報共有がエンパワメントの要件であろう、の4つの要件がこれである。
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