研究分担者 |
佐々木 洋城 愛媛大学, 理学部, 助教授 (60142684)
木曽 和啓 愛媛大学, 理学部, 教授 (60116928)
野倉 嗣紀 愛媛大学, 理学部, 教授 (00036419)
シュクマトフ ディミトリ (シャクマトフ ディミトリ) 愛媛大学, 理学部, 助教授 (90253294)
平出 耕一 愛媛大学, 理学部, 助教授 (50181136)
宮本 雅彦 筑波大学, 数学系, 教授 (30125356)
大森 博之 愛媛大学, 教育学部, 教授 (20036370)
庭崎 隆 愛媛大学, 理学部, 助手 (50218252)
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研究概要 |
アダマールの予想とは,「任意の4の倍数mに対して,次数mのアダマール行列が存在する」というものである。現在,まだ存在が知られていないアダマール行列の最小次数は428であり,国内外の研究者が争っている問題である。 今,Gを位数2nの二面体群とし,A,B,C,Dをその部分集合とする。最近,木村浩氏により,ある条件のもとでこれら四つの部分集合から次数8n+4のアダマール行列を構成する方法が示された。次数428はn=53に対応する。 本研究では,これら四つの部分集合の群環ZGにおける性質を調べ,小さな奇数nについての実例をコンピュータを用いて構成した。その際,以下のような方法をとった。. 1.この構成法を位数2nの一般の群の場合に拡張した。 2.同値な構成法を幾つか与えた。 3.A,B,C,Dの条件を保つようなG(及びその部分集合)上の作用を研究した。Gのホロモルフもその一つである。 4.次の特別な場合に注目した。 (1)A,B,C,Dが対称な場合。 (2)Gが二面体群のとき,更に強く"y-不変な場合。 これらの場合,A,B,C,Dに関する条件は群環ZGにおける四平方和の問題となった。 5.コンピュータを用いて,15を除く30以下のすべての奇数nについて,二面体群からアダマール行列を構成した。 これらのことは,本研究における方法で多くのアダマール行列が構成できる可能性があることを示している。また,実例の殆どがy-不変なものから発見できたことも興味ある事実である。
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