| 研究概要 |
有限次分裂ホップ代数Hが素環Rの対称的マルチンデール商環Qに,連続かつX-外部的に作用しているとする。KをQの中心とする。
スマッシュ積代数K#HのKを含む余加群部分代数が全てK上のフロベニウス拡大になっている(この条件を(*)で表わす)と仮定すれば,次の結果が得られた。
1.K#HのKを含む右H-余加群部分代数∧に対して,_∧M^Hの対象は全て自由左∧加群となる。
2.∧の左積分の集合は1次元の右K空間となり,0でない左積分は_KM^H_Kの対象として∧を生成している。
3.K#Hの写像κ,μをκ(α#h)=ΣS^￣h_q・α#Sh_2andμ(α#h)=ΣS^￣hα(α∈K,h∈H,SはHのアンチポートでS^￣はその逆写像)で定義する。
∧の左右の積分ξ,ηに対して,K(ξ)=(α#σ)ηandμ(η)=ξ(α^´#σ^´)となるKの元α,α^´とHの群的元σ,σ^´が存在する。
4.Rの有理的完備な部分環で不定元からなる部分環を含むもの全体の集合と,K#Hの右余加群部分代数でKを含むもの全体の集合との間に,群のガロア対応を一般化する対応が存在する。
HがKに自明に作用する場合には2つの集合間に1対1の対応がつくことが前年度の研究で明らかになっていたが,上の結果によって条件を更に弱くすることができたことになる。
条件(*)がいつ成立するかということの解明が今後の新たな研究の方向になってくる。
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