研究分担者 |
白相 岳男 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50007960)
落合 昭二 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30031545)
木村 茂 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70007962)
藤平 秀行 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (70114171)
木村 寛 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70017953)
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研究概要 |
本研究は,3次元単位球面S^3内の平坦トーラスに関する研究を発展させ,部分多様体論と他の分野との新たな関連を発見することを目指して平成10〜11年度にかけて実施された. 平成10年度は,S^3内の平坦トーラスの等長的変形に関する問題を重点的に研究し,平成11年度は,S^3内の平坦トーラスについて既に得られている定理の高次元化について重点的に研究した.その結果,以下のような成果が得られた. (1)S^3内の平坦トーラスの構成法を用いると,S^2上の閉曲線対の変形からS^3内の平坦トーラスの等長的変形が誘導されることが分かる.この事実を用いてS^3内の平坦トーラスのうち平均曲率が一定でないものの等長的変形にっいて研究し,これらの平坦トーラスはすべて等長的変形可能であることを証明した. (2)S^3内の平坦トーラスのうち平均曲率が一定なものの等長的変形について研究した.これらの平坦トーラスはS^3内のCliffordトーラスの被覆面であるが,被覆の仕方により等長的変形可能な場合とそうでない場合がある.S^3内の平坦トーラスの漸近曲線に関する性質を用いて,等長的変形不可能な場合に対応する被覆をすべて決定した. (3)S^3内の平坦トーラスについて既に得られている定理「S^3内の平坦トーラスの漸近曲線はすべて閉じている」の高次元化について研究した.S^3内の平坦トーラスMに対してS^5内の3次元平坦トーラスM^1をある方法で対応させるとき,もしMの漸近曲線の長さとπの比が無理数ならばM^1は閉じた漸近曲線を許容しないことが分かる.これを用いて,S^5内には閉じた漸近曲線を持たない3次元平坦トーラスが存在することを証明した.
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