研究分担者 |
厚見 寅司 鹿児島大学, 理学部, 教授 (20041238)
大本 亨 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20264400)
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40107850)
新森 修一 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (40226353)
酒井 幸吉 鹿児島大学, 理学部, 教授 (20041759)
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研究概要 |
複素多様体上の正則ベクトル束Eの射影化束をP(E)で表すとき,P(E)は自然にKahler射の構造をもつ.その相対接束は,その擬Kahler計量から一意的に決まる複素Bott接続と呼ばれる部分接続Dを許容する.また,その擬Kahler計量は,正値の関数倍を除いて一意的に強擬凸な複素Finsler構造をEに決める.Dの平均曲率がEinstein条件を満たすとき,(E,F)はEinstein-Finslerベクトル束という.この研究では,コンパクトなKahler多様体M上のEinstein-Finslerベクトル束(E,F)のMumfordおよびMumford-Takemotoの意味での安定性について研究した.主に次の3項目について研究した. (1)Bochner型の消滅定理とその応用 (2)Einstein-Finslerベクトル束の準安定性について,特殊な場合の研究 (3)射影的(または共形的)不変量とその応用,特に,射影的平坦なFinsler構造の研究 Einstein-Finsler束の安定性については,ある特殊な条件の下では肯定的結果を得た.得られた結果の中で,特に正則ベクトル束の安定性に関しては,次の結果を得た. (1)Einstein-Finslerベクトル束が複素Minkowski空間にモデルをもつならば,EはMumford-Takemotoの意味での安定である. (2)コンパクトなリーマン面上の正則ベクトル束Eが安定であるための必要十分ん条件はEが射影的平坦な複素Finsler構造を許容する,または,射影束P(E)→Mが平坦なKahler射となることである.
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