研究分担者 |
中川 泰宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90250662)
井関 裕靖 (井関 裕端) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90244409)
砂田 利一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20022741)
宮岡 礼子 上智大学, 理工学部, 教授 (70108182)
大仁田 義裕 東京都立大学, 理学部, 教授 (90183764)
塚田 真 東邦大学, 理学部, 教授 (10120198)
大口 剛史 東邦大学, 理学部, 助教授 (60168888)
志村 道夫 東邦大学, 理学部, 教授 (90015868)
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研究概要 |
結晶格子,つまり周期的な無限グラフ,のユークリッド空間へのエネルギー最小の調和写像を研究し,それを用いて結晶格子上のランダムウォークの推移確率の時間無限での漸近挙動を決定した. 代数幾何学で用いられるアルバネーゼ写像はコンパクト多様体から平坦卜ーラスヘの調和写像として拡張されている.コンパクト多様体のアーベル被覆となるような非コンパクト多様体の熱核の時間無限での挙動を記述するのに,アルバネーゼ写像が有益であることを観察し,局所中心極限定理や漸近展開に関する精密な結果を得た. また,その離散版である有限グラフから平坦卜ーラスヘのアルバネーゼ写像を定義するために,重み付きグラフから多様体への調和写像の概念を定義し,その結果を用いて結晶格子上のランダムウォークの推移確率の時間無限での漸近挙動がグラフの幾何的な量で記述した.また,アルバネーゼ写像が写像のホモトピー類のなかでのエネルギー最小写像であるという特徴付けをおこない,与えられた隣接関係を満足するグラフのユークリッド空間内の標準的な実現を構成し,また結晶構造の対称性に関する考察を与えた. 一方で,負曲率閉多様体のホモロジー類を指定した素測地線定理の漸近項に現われる係数がホモロジー類にどのように依存するかを調べ,コンパクト多様体のアノソフ微分同相の力学系の高次相関関数を定義し,それが指数減衰であることを示した.さらに,圧力の高階微分と全相関が等しいことを示した.
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