研究課題/領域番号 |
10640104
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中神 潤一 千葉大学, 理学部, 教授 (30092076)
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研究分担者 |
吉田 裕治 北九州大学, 経済学部, 教授 (90192426)
安田 正実 (安田 正美) 千葉大学, 理学部, 教授 (00041244)
蔵野 正美 千葉大学, 教育学部, 教授 (70029487)
種村 秀紀 千葉大学, 理学部, 助教授 (40217162)
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 多段決定過程 / ファジー推移 / ファジー関係式 / 最適停止問題 / ファジー最適化 / ファジー数の順序 / ファジー停止規則 |
研究概要 |
ファジー推移のマルコフ決定過程への導入は千葉大学計画数学グループ[蔵野正美、安田正実、中神潤一、吉田祐治(現在は北九州大学)]の主要研究課題で1991年より始められ精力的に研究発表されてきた。本研究は以上の背景と結果を踏まえ、ファジー値をもつ停止問題の構造に関する理論的基礎研究を目的とする。 ファジー(最適)停止問題は、各種の決定問題への基本的基盤であり、社会が当面する諸問題への適用と極めて広く活用され、統計学・計画数学等における逐次決定問題の基本として捉えることができると考えている。 本研究の2年間において、ファジー(最適)停止問題の基本的な構造を解析する研究に焦点を置いた。発表された関連研究のうち主なものは次の通りである。 (1)通常のマルコフ決定過程において、多次元集合値利得を考え、その空間上に擬順序を導入することに成功した。この論文はファジー集合の比較をするための基本定理を与える。 (2)一般の動的ファジーシステムにおいて、無限期間平均利得を定義し、解の存在を示した。特に一次元の場合には解を導出するファジー関係式を求めた。 (3)多次元停止問題の応用例として資産処分問題を考察した。平衡戦略の存在定理と解の導出が可能な具体例を示した。 (4)ファジー停止問題を考察する最初の論文である。単調ファジー停止時間を定義することで、問題の解析に成功した。本論文では利得のスカラー化を行ったが、直接ファジー利得を扱うことを今後の目標としたい。 (5)ベルマン流の動的計画法のファジー化の拡張を行う。ファジー関係式の導出と解の一意存在定理を示した。 (6)従来研究されて来たファジー順序の解説とファジー数の多次元化に伴うファジー順序の考察を行い、新たにこの上に擬順序を定義した。これは最適ファジー政策を求めるための基本定理である。 この他に1998年度、1999年度の数学会(春と夏)および京都大学数理解析研で、それぞれ4編づつの講演を行ない、活発な研究活動ができた。 本研究は数学以外に、情報系の工学部、経済学部・経営学部との交流研究が盛んである。平成11年度は金沢で研究集会を開催し、平成12年は九州大学と金沢大学との研究交流のため、出張と招聘を行った。最新の研究成果の発表と討論により貴重な情報の交換ができ大変有意義であった。このような交流は境界領域としての学問を進めていく上でぜひ必要と考えている。また、計算機関係の整備等への補助金の支給に感謝する。
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