研究課題/領域番号 |
10640148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
山田 春樹 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00092578)
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研究分担者 |
武元 英夫 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00004408)
白井 進 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30115175)
吾妻 一興 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70005776)
高瀬 幸一 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60197093)
瓜生 等 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10139511)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 準古典近似 / Hyperasymptotics / WKB近似 / resurgent関数 / Schrodinger方程式 |
研究概要 |
準古典近似の理論と関連して基本的な問題である、「漸近展開において指数的に小さな量をいかにして数学的に厳密に取り入れることが出来るか」という問題を中心に研究を行った。そのための手段としてHyperasymptoticsの方法、Resurgent関数の理論、exact WKB解析の方法を学び、その結果次のように問題の解析についての手がかりを得ることが出来た。 (1)多項式potentialをもった定常1次元Schroedinger方程式の固有値問題に対する準古典近似による解析に際して、遠隔井戸からの影響として現れる指数的に小さな量の解析についての問題。この研究の際に指針となったのは、区分的に定数であるようなpotentialを待った定常1次元Schroedinger方程式の固有値問題に対する量子化条件の具体的な表示式とその積分形式による特徴付けであった。この考察をもとに、一般的な場合への拡張が試みられた。(2)ある種の積分の漸近展開に際して、もっとも近い点以外の特異点(臨界点)からの影響を、指数的に微少な量として検出する方法についての問題。そのためにsteepest descentの方法の新しい視点での見直しを行った単にsaddle pointにおける展開式の係数の解析を行うのみでなく、実際にsaddle pointから出るsteepest descentな積分路を通っての積分を解析することが、指数的に小さな量の検出に有効であることをもとに解析が行われた。 これらのことについては現在もさらに研究が続行中である。 研究成果のうちの中心的な部分は、次のような見解に基づいてなされたものである。 1)漸近展開で表された関数をBorel再総和法で積分型になおして得られる関数と、元の関数との間の関係は、その関数の特異点での留数等、特異点における挙動が関係している。Borel再総和法によって得られたものは、特異点をまわらない積分路によって得られるものに対応しているが、特異性の情報の一部は元の漸近級数の中にも含まれていること。 2)準古典近似における漸近近似をexactな量として意味づけるためには漸近展開表示された関数の再総和をLagrange多様体上で考える必要があるが、その際に複素Lagrange多様体とその上のcycleを考察することが重要であること。
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