研究分担者 |
井上 哲男 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (50031448)
石井 克幸 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (40232227)
冨田 義人 (富田 義人) 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (50031456)
都田 艶子 大阪大学, 工学部, 助手 (80174150)
影山 康夫 神戸商船大学, 商船学部, 助手 (70304136)
|
研究概要 |
球対称な係数を持つ非線形退化楕円境界値問題についてその連続な粘性解は存在し球対称解に限るか否か、を中心に研究を行った。われわれの考察した偏微分方程式は次のような形をしている。 -g(|x|)Δu+f(|x|,u)=0 ここでg(|x|),f(|x|,u)は連続,gは非負な関数で,fはuに関して狭義の単調のみを仮定する。 まず有界な領域において考察した。新しくstandard viscosity solution(g=0なるxに対してu(x)=ρ(x)すなわちf(|x|,u(x))=0)という概念を導入し、この解に限れば解は存在し球対称解に限ることが証明された。また、上の条件に加えgにある積分条件(gの零点を含むいかなる近傍においてもg^<-1>の積分は発散する)を課すと、連続な粘性解は一意に存在しその解は球対称解であることが示せた。またこの条件は、連続な粘性解は一意に存在するための必要十分な条件であることも示すことができ、連続な粘性解が球対称解のみであるための条件に関してこのTypeの方程式では我々の条件がぎりぎりの条件であると考えている。ただし、領域は、有界なn次元球である。 次に非有界な領域において、無限遠点における境界条件満たす連続で非有界な粘性解の考察した。連続な粘性解が存在するか否か(存在しない境界条件もある)一意はどうか、またその解は球対称解であるか否かの問題に対し、無限遠点における解の状態を位数で分類することにより、明らかにした。ただし、この場合においては、g,fに十分な滑らかさを仮定している。 また準線形半線形退化楕円境界値問題についても考察した。ここでは、g(|x|,u),f(|x|,u)は連続、gは非負な関数で、fはuに関して狭義の単調のみを仮定する。また連続な陰関数が存在しその関数にある意味での滑らかさを仮定した。このとき連続な球対称な粘性解の存在を保証した。しかしまだ一意性は保証されていなくこれからの問題である。これらの研究をするにあたり、常微分方程式の解の存在定理、また構造定理が大変有効な手段となり、特に,gの零点付近の解折が大変役立った。また、劣粘性解、優粘性解に関する比較定理が大変有効に働いた。
|