| 研究概要 |
研究は大きく分けて
1.ノイマン環上の完全加法的量子測度の有界性に関する問題
2.特異単調完備C^*-環への外部的群作用の構成に関する問題を扱った.
1.ノイマン環が非可換有限次元環を直和因子にもたなければ,その上の完全加法的量子測度は全て有界であることを証明した.
有限次元因子環上に完全加法的ではあるが非有界な量子測度が存在するので上の定理は最良の結果である.
2.与えられた群のGeneric Dynamics Factorと呼ばれる特異単調完備因子環Aへの外部的作用の構成に関して次の考察を行った.
A.与えられた位相群の作用素環への作用に関して積分論,フーリエ解析が展開できるためにはその作用は連続でなければならない.本研究の困難性は,ノイマン環と異なり,特異環上には強位相、弱位相に相当するものがないことにある.そこで位相群の単調完備C^*-環上への作用に関して,積分論及びフーリエ解析が展開できるために,その単調完備C^*-環及び群の作用が満たすべき条件を詳細に解析した.その条件を満たす環及び作用を適切な作用系と呼ぶ.加群R及びTがAへ適切に且つ外部的に作用することを示した.
B.p【greater than or equal】2なる自然数及びγ^p=1を満たす複素数γに対して(γ,p)をConnesの外部共役類不変量にもつAの自己同型写像を構成した.
C.Aの自己同型写像全体のなす群をAut(A)とし,その内部的自己同型写像全体の正規部分群をInn(A)とする.商群Aut(A)/Inn(A)をOut(A)とおく.可算離散群が与えられた時それをOut(A)へはめ込むことができることを示した.
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