研究分担者 |
高桑 昇一郎 東京都立大学, 理学部, 助教授 (10183435)
竹内 博 四国大学, 経営情報学部, 教授 (20197271)
河合 茂生 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30186043)
加藤 信 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10243354)
小林 治 金沢大学, 理学部, 教授 (10153595)
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研究概要 |
共形幾何構造への応用を念頭に,p-調和写像,及び,n-調和写像についての研究を行った.sourceかtargetが球面のときに,いくつかの観点から行った.特に,球面へのp-調和写像について,正則性の結果が得られた.一般のp-調和写像は,形式的には調和写像の概念の拡張であるが,実質的には,異なる様相を呈している場合が多い.研究の途上,わかったことであるが,一般のp-調和写像を扱う上において現れる,主たる困難は3つに集約される. (1)p-調和写像の定義方程式は,(非線型)楕円型だが,調和写像の場合と異なり,p≠2のときは退化している. (2)p-調和写像の議論では,調和写像の場合には現れない項が出てくることがある. (3)p-調和写像の議論では,調和写像のときの議論に現れる指数や定数の2は,2,pや2p-2など,様々な指数となって現れる.(p=2のときは,これらはすべて2となる.) 上記のような困難を一つ一つ解決してゆく必要がある.それらの中には,なんらかの工夫を乗り越えられるものと,本質的に異なる様相を呈するものがある.前者については,例えば,Bochner-Weitzenbock formulaにおいて,調和写像では消えている項が現れるということがある.これについては,部分積分でその項が消えるように,次数調節と変形を行うことにより,対応することができた.後者については,そのための方法論や取り扱い技術の開発が必要となり,今後の研究に待たれるものである.今回の研究では,形にはなっていない部分においても,技術的手法についての理解と具体的なノウハウがいくつか得られたのも収穫であった.
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