研究課題/領域番号 |
10640240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
原 忠徳 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (60000171)
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研究分担者 |
佐藤 克久 国立天文台, 水沢観測センター, 助手 (90178715)
久慈 清助 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (40132675)
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
三好 真 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (50270450)
亀谷 収 (亀谷 收) 国立天文台, 水沢観測センター, 助手 (70202025)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 大気伝播遅延ゆらぎ / ラジオメータ / 22GHz吸収線 / コンチニュウム成分 / 2チャンネル / 10mアンテナ / 空間的差動ラジオメータ / 水蒸気ラジオメータ / 超過光路長 / 受信機利得変動 / 輝度温度 |
研究概要 |
地上において、天体電波観測を行う上で、地球大気による伝播遅延のゆらぎは、最も大きな障碍の一つになっている。われわれは、空間的差動ラジオメータの開発を行い、大気位相のゆらぎを観測し、大気の影響を相殺する方法を研究したので、その結果を報告する。 上で述べたような目的には、高い空間分解能と二つの方向を素早く切り替えることができるアンテナが必要である。本研究においては、デジタル技術により高速で駆動することができる、水沢の10mアンテナが使用された。このアンテナは天体電波を受信するために使用されているものである。このシステムにラジオメータとしての機能を付加し、大気の輝度温度を測定した。当システムの受信機の帯域は2GHzと、2チャンネル水蒸気ラジオメータを構成するためには、可成り狭いものであった。しかし、水蒸気が多いと考えられる日に行った観測から、当システムは水滴等によるコンチニュウム成分の除去を行う上で、効果的に機能していることが確かめられた。またアンテナを天頂に固定し、大気輝度温度を観測し、超過光路長(EPL)に変換した時系列データから、アラン標準偏差を求めると、大気位相ゆらぎに特徴的なゆらぎ特性を捉えていることが分かった。このことを受けて、アンテナの高角度は一定にし、方位角を5°と10°だけ約20秒間隔で変化させ、二方向におけるEPLの差の時系列データからアラン標準偏差を求めると、天体の離隔に対応する時間スケールで、フリッカー周波数雑音から白色位相雑音へと変化しているこtが確かめられた。このことによって、当システムが空間的差動ラジオメータとして、機能することが確認された。 しかしながら、観測システム諸定数から予想されるものより5倍程度大きいシステム雑音がある。また系統的な輝度温度の増加が存在しているようであり、さらなる改良が望まれる。
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