研究課題/領域番号 |
10640309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
島田 賢也 広島大学, 放射光科学研究センター, 助手 (10284225)
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研究分担者 |
佐藤 仁 広島大学, 理学部, 助手 (90243550)
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
谷口 雅樹 広島大学, 理学部, 教授 (10126120)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 光電子分光 / 強磁性体 / マンガン化合物 / 高分解能角度分解光電子分光 |
研究概要 |
1.ホットウオールエピタキシー装置により強磁性MnSb(1101)単結晶薄膜をGaAs(001)単結晶表面上に作成した。X線構造解析によりNiAs型結晶構造であることを確認し、反射高速電子線解析装置により試料表面が平坦であることを確認した。本研究で得られた薄膜MnSb単結晶試料について角度積分光電子分光および逆光電子分光実験を行い、大きく交換分裂したMn 3d-t_<2g>バンドを初めて直接的に観測した。MnSbのバルク試料を作成し、その電子状態を薄膜試料と比較したところ、両者は一致した。電子状態の観点からも良質な薄膜MnSb単結晶試料が得られていることが分かった。実験スペクトルをバンド計算の状態密度と比較すると概ね形状は一致したが、実験スペクトルから見積もった交換エネルギーは〜4eVとなり、バンド計算の値〜3eVよりも大きかった。 2.MnP、MnAs_<0.95>P_<0.05>、MnBiのバルク試料について、逆光電子分光実験およびヘリウム放電管を用いた光電子分光実験を行い、非占有状態および占有状態について知見を得た。Mn 3d-t_<2g>バンドのピークの分裂幅より交換エネルギーを見積もると、MnAs_<0.95>P_<0.05>、MnBiでは〜4eV、MnPでは1.6eVとなった。 3.広島大学放射光実験施設でMnBiバルク試料について共鳴光電子分光を行った。MnBiでは、Mnカルコゲナイドで見られるようなサテライト構造の共鳴増大はなく、Mn3d電子の遍歴性が強いことを示した。 4.広島大学放射光実験施設のビーンライトに高分解能角度分解光電子分光装置を接続した。光電子分光装置のエネルギー分解能は3meV以下、角度分解能は±0.1°以下を確認した。今後の展開として、本研究により得られたMnプニクタイド単結晶試料について放射光を利用した角度分解光電子分光を行う予定である。
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