研究課題/領域番号 |
10640310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
相原 正樹 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (70091163)
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研究分担者 |
稲垣 剛 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (10253139)
高橋 聡 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80212009)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 励起子 / ボーズ凝縮 / 巨視的量子状態 / 非線形光学 / 多体効果 / 超流動 / エリアシュバーグ方程式 / BCS状態 / Eliashberg方程式 / コヒーレンス / シュレディンガー方程式 / 電子正子L系 / 非線形光学効果 / 高温超伝導 / 発光スペクトル |
研究概要 |
ボーズ凝縮した高密度励起子系の超流動現象を検証するために、空間的に離れた光ビームによる非線形光学現象を理論的に解析した。まず、光と結合した励起子凝縮相を記述する非線形シュレディンガー方程式を励起光の波数でモード展開し、モード結合方程式を導出した。それを数値的に解くことにより、コヒーレントに伝播した励起子凝縮相における非線形相互作用により、空間的に離れた2本の励起光ビームの中間位置から2k_2-k_1の方向に(2本の光ビームの波数をそれぞれk_1、k_2とする)信号光が発生することを明らかにした。この信号は励起子が単にバリスティック伝播して衝突した過程によるのではなく、高密度励起子系の多体効果により発生した自発分極の非線形伝播効果によるものである。つまり、密度が小さい時のバリスティック伝播は、励起子密度の増加と伴に位相緩和の為減衰するが、高密度効果による自発的コヒーレンスを持った伝播は、逆に励起子密度増加により安定化する。また、本解析では、モード結合方程式を解く際に、4光波混合のみならず2k_2-k_1方向に伝播する高次の分極モードを収束するまで全て取り入れている。従来、高密度励起子系のボーズ凝縮の検証は多くの困難を含んでいるが、本研究はそれを離れた光ビームにより直接に観測出来ることを示した点で意義の深いものであり、大阪市立大学の唐沢教授によるBiI_3における実験に対する理論的根拠を与えるものである。なお、この研究は、1999年ルミネッセンス国際会議において稲垣により発表され、若手研究者賞を受賞した。この現象は高密度励起子系で生ずるが、平均励起子間距離が励起子ボーア半径の10倍程度以下の高密度になると、励起子を構成している電子と正孔のフェルミオン性とクーロン相互作用(斥力と引力)を考慮に入れる必要がある。そのような巨視的量子状態をエリアシュバーグ方程式を解く事により明らかにし、励起子描像が破綻する高密度状態における非線形光学現象の基礎を確立した。
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