研究概要 |
本研究ではCe_xLa1_<-x>B6の低温比熱と弾性定数を中心に測定した.これによりCe濃度か50%程度のCe_xLa1_<-x>B6では低温低磁場領域で秩序相が発生せず,磁場中では低温で秩序相が実現することを確認した.このことはCe濃度が50%程度のCe_xLa1_<-x>B6である種の巨視的な非磁性状態が低温,低磁場領域で実現していることを意味する.この非磁性相は磁場の印可によって壊され、秩序相が発生する.Ce0.5La0.5B6の非磁性相における低温比熱の温度特性は温度のほぼ1.5乗に比例しており,この非磁性状態が,いわゆる重い電子系とも異なる状態であることを示唆している.Ce0.5La0.5B6の低温比熱は磁場ほとんど依存せず,低温の弾性定数の磁場変化に見られるヒステリシスは非常に小さい.このことはCe0.5La0.5B6の非磁性状態がスピングラス,あるいは電気四重極子のグラスではないことを示している.本研究によりCe0.5La0.5B6の非磁性状態が新しい巨視的な基底状態である可能性が強まってきた. Ce_xLa1_<-x>B6のIV相は現在でも秩序パラメータが特定されていない.我々は,CeO.65LaO.35B6のIV相の低温比熱を測定し,低温比熱が温度のほぼ2乗に比例することを見いだした.比熱の温度特性は秩序状態によって異なるため,IV相の秩序パラメータ特定の大きな手がかりになると思われる.
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