研究概要 |
CePtX(X=Sb,As,P,N),CePdX(X=As,P,N),などの系で物性のX(プニクトゲン)依存性を調べるのが本研究の第一の目標であった.更に,我々が既に報告してきたEuPdSb,PrPtBiの単結晶化とその物性研究がもうひとつの大きな目標であった. 結晶構造に就いて先ず述べる.CePtSbはLiGaGe型,CePtAs,CePtPはYPtAs型である事が判明した.CePtNは数種の方法で作成を試みたが現在までのところ結晶の合成までには至っていない.CePdX系では,CePdAsはLidaGe型,CePdPはBeZrSi型結晶構造をとる.CePdNはCePtNと同様結晶構造の決定までには至っていない. LiGaGe型,YPtAs型,BeZrSi型は共に六方晶であり,格子内での原子の配列は略等しく,物性のX依存性を調べるのに好都合な物質群であった. 次に成果を述べる. CePtAs,CePtPは電気抵抗に強い異方性を示し,Fermi面を決定すべくdHvA効果の実験を行った.予想通り二次元的な円筒状のFermi面の観測に成功した.CePdAsでもdHvA効果の観測できる良質な結晶の育成に成功し,回転楕円体状のFermi面の観測に成功した.一方,バンド計算も行い実験との良い一致を見た.CePdPの純良化を引き続き続行中である.CePtX系に於いて,XがSb,As,Pと変化するに従い磁化容易軸がC軸方向からC面内に連続的に変化することを明らかにした. EuPdSbはTiNiSi型である.EuPdSbの単結晶の作成にも成功し,dHvA効果の実験も行われた.更には,磁場中比熱及び強磁場磁化過程の測定から磁気相図を決定した.EuPdSbでのdHvA効果の観測の成功は,TiNiSi型結晶構造で初めてであり,学会に大きなインパクトを与えた.PrPtBiでは単結晶の作成までには至らなかったが純良化か行われ,電気抵抗,ホール係数ともに明らかに半導体的になった. 以上の如く多くの成果を得て本研究を完了した.
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