研究課題/領域番号 |
10640342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 耕作 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90013515)
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研究分担者 |
藤本 聡 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10263063)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 有機導体 / 銅酸化物 / フェルミ液体 / 強相関電子系 / 強結合超伝導 / 超伝導揺らぎ / 擬ギャップ / 異方的超伝導 / 強結合理論 / ボーズ凝縮 / 酸化物超伝導体 / 超伝導揺ぎ |
研究概要 |
平成10年度から11年度の2年間、強結合超伝導の理論の発展に努力した.その結果、かなり,重要な成果が得られたと考えている. 1.擬ギャップ現象の理論 1)高密度の強結合の超伝導で見られる擬ギャップ現象を理論的に解明できたことである.この現象の説明をめぐって多くの説が提案されたが、我々は超伝導揺らぎの結果として説明した.結合力の強い準2次元系に特有の現象であり,銅・酸素系の高温超伝導体とκ-タイプのBEDT-TTF系に実現していることを実験と対応させて説明した. 2)上記の擬ギャップの理論は磁場効果をよく説明する. 3)さらに、超伝導転移への理論も完成し,擬ギャップのために超伝導への転移温度は減少するものの、従来のBCS的な理論で起こることが自己エネルギー補正を取り入れたT-行列の理論で示された. 以上の擬ギャップに関する理論は、名古屋大学のグループなどが別の方法で行っているが我々の理論は世界的にも信頼性の高い理論であると考えている. 2.相関の強い電子系の超伝導機構 電子間のクーロン反発力の強い電子系の超伝導理論を種々の理論で研究している.その結果、電子間の斥力そのものが超伝導の起源であると言う事が明らかになった.銅・酸化物は元より,有機導体を含め、ルテニウム系のSr2RuO4のスピン3重項の超伝導もクーロン相互作用の摂動で導出することができた.1Kと言う低い転移温度の系の超伝導を理論的に導出できるとは驚くべきことである.今後、多くの系で適用できると思われる.
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