研究課題/領域番号 |
10640343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00025363)
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研究分担者 |
瀬口 泰弘 近畿大学, 理工学部, 講師 (70171345)
池田 隆介 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60221751)
山田 耕作 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90013515)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 超伝導 / 非晶質薄膜 / 磁場増強超伝導 / AuGe合金膜 / Au-Ge合金膜 |
研究概要 |
典型的な二次元超伝導体で磁場中での軌道運動を凍結した平行磁場中で超伝導と電子局在の競合に対するスピン常磁性の効果を調べ、以下の結果を得た。 (1)定常磁場中での超伝導抵抗転移の温度変化-2nm程度の膜厚のAu_<0.5>Ge_<0.5>合金薄膜超伝導体の抵抗転移は膜面に平行に定常磁場を印加すると抵抗値の減少が観測され、この状態を磁場増強超伝導と呼ぶ。Au_xGe_<1-x>(x=0.3,0.7)の組成の薄膜では磁場増強超伝導は観測されない。 (2)渦糸対(KT)転移と渦糸ガラス転移-H_⊥中での抵抗転移-非晶質AuGe合金薄膜では渦糸のピン止め力が非常に弱く、垂直磁場(H_⊥)による残留磁場の補償だけでは典型的なKT転移は観測されない。T/Tco>0.7の温度範囲ではH_⊥=0から直線的に抵抗が増加し、その温度変化は熱励起型で渦糸のガラス転移は観測されない。これは典型的な二次元渦糸系では相転移は存在しないことを示している。 (3)臨界温度の上昇と局在効果-H_〓中での抵抗転移-H_〓磁場で磁力線のひずみによる垂直成分の発生を補償しながら抵抗転移を測定した。0.4Kから40Kまでの温度範囲でのH_〓中での抵抗の温度変化と合わせてスケーリングの手法で解析し、磁場増強超伝導と局在による抵抗を分離した。その結果、平行磁場のもとでの局在による磁気抵抗は低磁場では負の値を示し、高磁場ではスピン常磁性効果による正の電気抵抗を示す。磁場変化の結果は(1)の定常磁場中での温度変化から算出された臨界温度の上昇と一致した。 (4)抵抗転移の変動磁場依存性-磁場掃引、および磁場変調に対するAuGe合金薄膜の抵抗転移は(2)で観測された現象のため、定常磁場の結果から期待される磁場依存性と符合しない。
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