研究課題/領域番号 |
10640361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
白倉 孝行 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (90187534)
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研究分担者 |
松原 史卓 東北大学, 工学部, 教授 (90124627)
進藤 浩一 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (10004384)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | スピングラス / モンテカルロ法 / ランダムスピン系 / 高速化アルゴリズム / 複雑スピン系 / ニューラルネットワーク / ANNNIモデル / フラストレーション / モンテカルロシミュレーション |
研究概要 |
擬一次元スピン系の研究から発見された「クラスター熱浴モンテカルロ伝」は、フラストレーションをもつ複雑スピン系にも有効な方法であることがわかってきた。そこで本研究では、この方法をスピングラスやANNNIモデルなどに適用し、以下の結果を得た。 1.二次元イジングスピングラス(SG) このモデルにおいては、その相互作用の分布が連続型の場合(Gaussian モデル)と離散型の場合(±Jモデル)で、有限温度でのSG相転移の有無の違いを示す数値的結果が得られた。それらは、(1)欠陥自由エネルギーの低温でのサイズ依存性の違い、(2)スピン凍結のBinder パラメーターの低温でのサイズ依存性の違い、(3)物理量の有限サイズスケーリングの違い である。すなわち、従来の説とは異なり、二次元イジングSGでも、±Jモデルの場合には有限温度でSG相が実現している可能性が強く示唆された。 2.二次元、三次元ハイゼンべルグSG ハイゼンべルグSGでは、三次元でも有限温度にSG相が存在しないと信じられている。その根拠の1つとなっているのが、欠陥エネルギーのサイズ依存性の振る舞いだが、1のイジングSGの研究で、それはその定義の仕方によって結果が大きく異なることをみた。我々はハイゼンべルグモデルの欠陥エネルギーとして最も自然な定義である基底状態のひねりに対するエネルギー増加量を調べた。その結果出てくる剛性指数は従来のものとは大きく異なり、むしろ純粋な強磁性体に近いものとなった。 3.ANNNIモデル 二次元ANNNIモデルは二つの相転移温度が存在することは示されていたが、その計算機実験の困難さから、それぞれの相転移温度の値やその性質が明らかではなかった。今回の方法により、高温の転移はKTタイプのものであり、低温の転移はPokrovsky-Talapovタイプのものであることがその転移温度の値とともに明らかになった。 4.ニューラルネットワークの連想記憶モデル 階層的な相関をもつパターンに対するHopfieldモデルに、学習,反学習サイクルを適用することにより、その記憶容量などに大きな改善がみられることが示された。
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