研究課題/領域番号 |
10640366
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
|
研究機関 | 奈良女子大学 (2001) 京都大学 (1998-2000) |
研究代表者 |
戸田 幹人 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (70197896)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | メゾスコピック系 / 化学反応 / アーノルド拡散 / レーザー / 対称性 / 半古典論 / 摂動論 / 非線型共鳴 / カオス / ヘテロクリニック交差 / リー変換 / 非線形共鳴 / 振動励起 / 少数多体系 / 共鳴 / 拡散 / 非線形 / 遷移状態 / エネルギー再分配 |
研究概要 |
本研究の目的は、少数多体量子系におけるダイナミックスの研究に向けて、第一に、多自由度古典ハミルトン系のダイナミックスを研究すると共に、第二に、古典系のカオスとの対応という観点から、少数多体量子系の性質を解析することである。特に、これらの研究の応用という点で、化学反応における振動エネルギー再分配過程や、メゾスコピック系の現象を念頭に、非線型共鳴の成す網の目(アーノルドの網の目)の中での動的な挙動、高次元系における安定多様体と不安多様体の間の交差の解析、対称性に起因する量子効果に焦点を当てる事を目標とした。 本研究の成果は、第一に、具体的な分子を例として、アーノルドの網の目の解析を手がかりに、レーザー場中の反応過程の制御に向けた手がかりを得た点である。第二に、安定多様体と不安多様体の交差を解析する方法論として、一般化されたリー摂動論の計算法を見いだした点である。第三に、対称性の変化を記述する方法として知られてきた分子置換群が、カオス的な大変形において不十分である事を指摘した点である。 本研究の成果を踏まえた今後の展開として、第一に、アーノルド網の目の中の反応制御の効率を高めるため、レーザー場の設計指針を明らかにする事である。第二に、高次元空間における安定多様体と不安定多様体の交差を、具体的に計算する方法を開発すると共に、それらの構造に基付く、新たな半古典的な方法論を建設する事である。第三に、分子置換群の部分群とアーノルドの網の目の対応関係を明らかにし、大変形を伴うカオス的な運動に対して、そこでの対称性の変化を研究する方法論を輝することである。
|