研究課題/領域番号 |
10640373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
宜野座 光昭 琉球大学, 理学部, 教授 (90045005)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | コロイド流体 / サスペンション / 多分散性効果 / MSAモデル / 剛体球湯川系 / 溶媒媒介相互作用 / 測定可能構造因子 / 静的構造因子 / コロイド液体 / 複雑液体 / コロイド粒子間相互作用 / DLVO理論 / 構造因子 / オルンスタイン・ゼルニケ方程式 / MSA解 |
研究概要 |
多分散コロイド液体は複雑液体であるので、系の本質的部分を研究可能にする適当なモデルの導入は不可避である。同時に、系への理解を進展させるため、系の物理的諸量の表式を利用可能な形で入手することが重要である。本研究では、多成分剛体球湯川液体モデルを採用し、MSA近似でOrnstein-Zernike方程式から得た解析的解に基づいて、静的構造因子や中性子散乱断面積、熱力学的諸量等の解析的表式を得ることに成功した。これらの表式は、考察系の複雑さにもかかわらず、コンパクトかつ有用であり今後の応用が大いに期待できる。この方向の研究は統計力学固有の課題でもある。 こうして得られた解析的表式を使って、剛体球湯川流体におけるサイズ分散と相互作用分散の効果を研究した結果の概要は次のようである。 1.静的構造因子における効果:相互作用分散効果は、既に知られていたサイズ効果と定性的には同じ効果を持っており、サイズ効果よりは小さいことが分かった。 2.圧力ー体積等温曲線への効果:相互作用分散効果は臨界点近傍で特徴ある効果を持っており、サイズ効果はこれとは逆向きの効果であることが分かった。 3.2元多分散流体の場合について、測定可能構造因子を計算した。構造因子に"特異ピーク"があることが発見された。これは、サイズ分散に敏感であり、分散を大きくしていくと次第に従来知られていた"コブ"に移行する。さらに、このような特異な構造はコロイド粒子中の物質分布に密接に関係していることも分かった。 溶媒中のコロイド粒子間力について、溶媒媒介相互作用がファン・デル・ワールス力よりも長距離力で重要になる場合があることを議論した。この研究は今後の更なる展開を必要としている。
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