研究概要 |
本研究は,波長11-13μmで発振するアンモニア(^<15>NH_3)レーザーと波長9-10μmで発振する炭酸ガスレーザーの光をMIM(Metal-Insulator-Metal)ダイオードで混合し,6THz以上の周波数を持つテラヘルツ電磁波(遠赤外光)を発生させるというものである.これまでに,その光源となるアンモニア(^<15>NH_3)レーザー及びそれを励起するための炭酸ガスレーザーを構成するレーザーフレーム,レーザー管の設計・製作,およびそれらの組立を行った.また,レーザーの周波数安定化のために必用なフィードバック回路の設計・製作を行った.このシステムを使って,アンモニア・レーザーを低圧^<15>NH_3ガスの飽和吸収スペクトルにロックし,周波数安定化を行った.差周波の周波数を知るためには,アンモニア・レーザーの発振周波数が既知でなければならない.そこで,炭酸ガスレーザーを基準とするヘテロダイン法により,アンモニア・レーザーの発振周波数の測定を行った. 次に,既存の安定化された炭酸ガスレーザーとアンモニア・レーザーの差周波をMIMダイオードにより発生させた.遠赤外光の発生は,6-9THzに豊富なスペクトルを持つCH_3OHのスペクトルの観測により確認した.その結果,9THzの遠赤外光の発生を確認できた.さらに,この分光計をHF,H^<35>C1,H^<37>C1分子の6-9THzにおける測定に応用し,8本のスペクトルの遷移周波数の測定を行った.
|