研究課題/領域番号 |
10640390
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松浦 執 東海大学, 開発工学部, 助教授 (70238955)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 糸状菌 / 真菌 / パターン形式 / フラクタル / 自己アファイン性 / 拡散 / コロニー / パターン形成 |
研究概要 |
非栄養拡散モデルにおいては、コロニーが成長しうる栄養レベルの範囲で、乱れが飽和した界面の自己アファイン性の同等性が確かめられた。これは基質栄養量一定の無限栄養量極限での結果ともほぼ一致した。しかし、界面の乱れの成長過程は、多層コロニーにおいて栄養量依存性を示した。これにより、有限栄養条件ではコロニー界面の乱れ成長がコロニー内部での菌糸生産頻度に依存するという基本性質が知られた。 糸状菌は環境条件に依存したコロニー成長を示す。本研究では、栄養量と栄養拡散及び菌糸状成長率をパラメータとした単層及び多層菌糸体成長モデルを構築し、実際のと状菌の培養実験と対照することにより、菌糸体のコロニー形態の選択則を検討した。 栄養拡散はコロニー形態の多様性をもたらす。特に栄養量・拡散係数を固定して成長率を下げていくと、成長は反応率速性が高まり凝集形態が生ずる。このとき、栄養量を低減すると、反応率速成長でありながら乱れが発展し、樹状形態が発生することが知られた。 モデル形態と実際の菌を対照することを通じて、栄養拡散場での菌コロニーパターン選択則は、菌に固有の、栄養量と菌糸体成長率との関係に存することが知られた。コウジカビAspergillus nidulansの野生株および遺伝子変異株のコロニー形態を調べ、等方性を保つものと、低栄養で樹状化する2グループに分類した。コロニー拡大率の測定結果とモデルコロニーの形態相図とを対照して、この形態発生の違いが、遺伝子的変異にともなう栄養量と成長率との関係の変化に対応することが知られた。 さらに、菌糸の加齢などの成長抑制効果を検討する目的で、A.nidulansその他について菌糸伸張率の時間的変化の長時間測定を開始した。菌糸伸張率はコロニー拡大とともに緩やかな減少または急落が見られ、この成長率変化の様式が環境の栄養量にも依存することが知られた。
|