研究課題/領域番号 |
10640395
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
|
研究分担者 |
首藤 啓 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60206258)
高橋 公也 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70188001)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | トンネル効果 / カオス / 半古典論 / 複動力学系 / ジュリア集合 / 複素力学系 / 複素半古典論 / カオス的トンネル効果 / 半右典論 / ストークス現象 |
研究概要 |
カオス的トンネル効果を動的トンネル効果と障壁トンネル効果の典型的な場合に分けて、我々が発展させてきた複素領域半古典論に基づく研究を実行し次の成果を得た。 動的トンネル効果に関して トンネル効果に寄与する複雑な複素古典的な力学構造の中でLaputa chainと我々が呼ぶ特徴的な多様体が動的障壁を越えるトンネル効果に中心的役割を演ずることを見出した。この構造を考慮することによって、カオス領域への波動関数の複雑なトンネル的な浸みだしがほぼ完全に半古典力学によって再現されることが発見された。Laputa chainの数学的な意味づけが研究され、数値的にではあるが、それが純粋数学の複素力学系理論の中心概念であるジュリア集合と密接に関係することが見出された。目下その数学的うらづけを研究中である。 障壁トンネル効果に関して 多次元障壁トンネル問題では必ず障壁頂上に不安定周期軌道が存在する。従来の理論ではこの軌道の動的効果が無視されてきたが、本研究によってその極めて重要な役割が発見された。この軌道の不安定多様体と入射ビーム面とのヘテロクリニックな絡み合いが複素面でおこり、それによって複数のトンネル軌道がトンネル効果に寄与する。このためトンネル波動関数には特徴的干渉パターンが出現する。この機構は自由度間の結合が強くなる、障壁るいは障壁エネルギーに接近すると必ず有効になる。このような機構の存在は多次元障壁トンネル問題では極めて一般的である。この様な効果は伝統的なトンネル理論では完全に見過ごされてきた。この機構がトンネルS-行列にもたらす効果を目下研究中である。
|