研究課題/領域番号 |
10640401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小河 正基 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30194450)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | マントル対流 / 火成活動 / 数値シミュレーション / プレート / マントル進化 / 金星 / リソスフェア / 粘弾性 |
研究概要 |
本研究の目的は、マントルに於ける主要な熱・物質輸送の担い手であるマントル対流と火成活動の全体を一つの力学系として扱い、この力学系の数値モデルを構築することにある。特に、リソスフェアとそのプレート運動というマントル対流の最も重要な特徴をモデルに組み込み、リアリスティックなマントル対流・火成活動結合系の数値モデル、すなわち、マントル大循環モデルを構築することを試みた。まず第一に、リソスフェアは存在するがプレート運動は起こっていない金星のマントル対流・火成活動結合系の数値モデルを構築した。リソスフェアは、マントル物質の粘性率を強く温度に依存すると仮定して、その結果地表面に沿って発達する熱・力学的境界層としてモデル化した。この数値モデルにより、金星では、数十億年に一回の割で、マントルのオーバーターンと非常に規模の大きい火成活動が起こることが予想された。このような火成活動は、5〜10億年前に金星で起こった火山平原の形成に対応すると考えている。第二に、プレート運動を再現し、モデルを地球にも応用できるようにするため、まず、粘性率が温度に依存する流体の熱対流の数値シミュレーションを系統的に行い、温度依存性の強さが程々の時に、リソスフェアは、存在し、しかもゆっくりとではあるが運動するレジームのあることがわかった。つぎに、このレジームの対流にさらに火成活動をカップルさせた火成活動・マントル対流結合系の数値モデルを構築した。さらに、この数値モデルに、プレートの破壊プロセスのモデルを組み込み、プレート境界の形成・沈み込みの開始・海嶺の形成をモデル化することに成功し、地球型惑星においてプレート運動が起こるための必要条件に関する洞察を得た。現在、初期地球のマントルの様子を理解することを目的とし、プレート運動を含む火成活動・マントル対流結合系の数値モデルを構築しつつある。
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