研究概要 |
新第三紀熱水活動の時期はステージI, IIおよびIIIの三つに区分できる。ステージIは中期中新世のイクルシベ層堆積時から後期中新世のオテシカウシナイ層堆積前までの時期である。ステージIIは後期中新世のシケレペ層堆積後から後期鮮新世のイクルシベ山溶岩や志計礼辺山溶岩噴出前の前期鮮新世〜後期鮮新世(3.2-3.8Ma)である。ステージIIIはシケレペンペツ層堆積時の後期鮮新世(2.2-2.4Ma)である。 ステージI熱水活動は,安山岩質およびデイサイト質噴出・貫入活動と関連し,主に中性熱水変質作用を伴う。 ステージII熱水活動は,主に安山岩質貫入活動と関連し,主に中性熱水変質作用と阿寒鉱床(3.2-3.8Ma),泰豊鉱床(元山および滝ノ沢脈)などの浅熱水性金銀鉱化作用とを伴う。 ステージIII熱水活動は,主に安山岩質およびデイサイト質貫入・噴出活動と関連し,比較的広域的な安山岩質火山活動に関係して中性熱水変質作用(2.2Ma)と当別鉱床(2.4Ma),泰豊鉱床(金華,錦秀および瑞芳脈)などの浅熱水性金銀鉱化作用とを伴い,また,比較的局所的なデイサイト質火山活動に関係して志計礼辺山酸性変質作用(2.3Ma)を伴う。
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