研究課題/領域番号 |
10640505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 京都大学 (2000) 国立環境研究所 (1998-1999) |
研究代表者 |
鷲田 伸明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70101045)
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研究分担者 |
猪俣 敏 国立環境研究所, 大気圏環境部, 研究員 (80270586)
古林 仁 環境庁, 国立環境研究所・大気圏環境部, 研究員 (00270588)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 反応速度 / 同位体 / 同位体効果 / 光イオン化質量分析計 / レーザー誘起ケイ光 / ビノキシラジカル / 大気化学 / メチルラジカル / 同位体蓄積 |
研究概要 |
近年、地球環境研究において、指標となる分子中の同位体比に関する議論が盛んである。同位体比から物質の起源を同定したり年代を決定する手法は地球化学において伝統的なものであったが、地球環境研究ではそれに加えて種々の元素の循環機構(いわゆる炭素、硫黄、窒素などの循環)を明らかにするために同位体比測定が行われている。循環機構における同位体濃縮には生物活動による取込や放出によるものや土壌や水(海)中における物質の分解や蒸発による濃縮などに加えて、大気中での化学反応(光化学反応やラジカル反応)における反応速度の同位体間の差異の評価が重要視されている。以上の背景を受けて本研究は気相ラジカル反応における安定同位体間の微小な反応速度の差異をラジカルを直接検出する直接法で精密測定し、上記の問題解決に貢献しようとするもので、以下の研究がなされた。 (1)メチルラジカルとO(^3P)およびO_2の反応速度の同位体効果。 ^<12>CH_3と^<13>CH_3、CD_3の三種メチルラジカルと酸素原子および酸素分子の反応速度の差異を光イオン化質量分析計を用いて測定した。三体反応であるO_2との反応速度においてCD_3がCH_3の2.4倍、^<13>CH_3が^<12>CH_3より0.5%速い反応であることが決定された。 (2)CH_2CFOとCD_2CFOラジカルのレーザー誘起ケイ光スペクトル CH_2CFOラジカルは酸素原子とフッ化エチレンの反応で直接生成するラジカルである。このラジカルのLIFスペクトルに関してはFCOラジカルのスペクトルであるとの説が米国の研究グループから発表されていた。本研究においてはCH_2CFOとCD_2CFOのLIFを測定し、そのスペクトルの同位体効果を解析することにより、このスペクトルが決してFCOに帰属されるものではないことを証明した。 (3)メチル置換型ビノキシラジカルとO_2との反応速度の測定 酸素原子とオレフィンの反応で生成する1-メチル及び2-メチルビノキシラジカルとO_2との反応速度を測定した。どちらの反応も圧力依存性を示し、この反応が三体再結合反応であることを示した。
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