研究課題/領域番号 |
10640506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
丑田 公規 理化学研究所, ビーム分配技術開発室, 先任研究員 (60183018)
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研究分担者 |
高見 道生 理化学研究所, 無機化学物理研究室, 主任研究員 (40087440)
笠井 康子 郵政省, 通信総合研究所・地球環境計測部・環境計測技術研究室, 主任研究員 (60281630)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | フェムト秒分光 / 超流動 / ヘリウム / 光分解 / 再結合 / コヒーレントフォノン / 光カー効果 / 極低温 / 近赤外分光 / 極低温反応 / 光化学反応 / 液体ヘリウム / 励起状態 / 超流動ヘリウム / 超高速反応 |
研究概要 |
本研究では超流動液体ヘリウムを溶媒に用いて、その中での化学反応を観測することを目的とした測定システムを製作することを目的とした。そのために必要なシステムは、ナノ秒で励起した後に同期してピコーフェムト秒のポンププローブ分光実験を行うことのできる実験装置である。そのために現有の測定装置を改造し同期運転ができるようにした。改良点は以下の通りである。1)フェムト秒リジェンアンプシステムからの1kHZの繰り返し信号を任意の繰り返しの単パルスにする、ガルバノスキャナを用いたシャッタシステムを構築した。2)ポンププローブ分光の測定波長を近赤外領域まで拡大するために、InGaAsラインセンサを用いた多波長分光システムを製作した。その結果1100nm-1700nmにおける測定が可能になった、3)ポンプープローブ分光の精度を高めるため、10^<-7>程度以下の分析光の変化を測定できるシステムを構築した。このシステムの精度と性能を検討し、装置を改良するために、固体と液体の試料を選び、固体ではコヒーレントフォノン分光、液体では光カー効果測定を用いて測定精度を改善する作業を行った。コヒーレントフォノン分光実験の結果、イオンビーム照射を用いて固体格子の乱れによる、振動状態の緩和現象をつぶさに解析する実験に成功し、しかも定量的に乱れの量を見積もることに成功した。また光カー効果の実験においては、溶液の緩和現象をごく弱い信号の変化から観測する実験を試み、分子の配向緩和の速度と分子間相互作用の関係を議論することを試みた。これらの実験成果は測定システムの高精度化によって得られたものである。今後液体ヘリウムを用いた実験へ展開する予定である。
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