研究課題/領域番号 |
10640559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
神鳥 和彦 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70177765)
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研究分担者 |
安川 あけみ 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (70243285)
石川 達雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30009055)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 単分散ナノ粒子 / ヘマタイト / カルシウムヒドロキシアパタイト / TPD-Mass-TG / カドミウムヒドロキシアパタイト / バリウム-カルシウムヒドロキシアパタイト / バリウムーカルシウムヒドロキシアパタイト / 金属リン酸塩粒子 / カドミヒドロキシアパタイト / タンパク質吸着 / ヘアタイト / 鉛ヒドロキシアパタイト |
研究概要 |
(1)FeCl_3-HCl混合溶液の加熱加水分解をFe(NO_3)_3ならびにHNO_3イオン存在下で行ったところ、得られるヘマタイト粒子の大きさや結晶性は添加するFe(NO_3)_3ならびにHNO_3イオンの割合に強く依存することを見い出した。 (2)酸性タンパク質の吸着量の粒子長依存性をコントロールする目的で、長軸長の異なる金属リン酸塩粒子の一つであるカルシウムヒドロキシアパタイト(CaHap)粒子を調製した。得られたCaHap粒子はいずれもCa欠損型で長軸長は異なる単結晶粒子であることが分かった。また、酸性タンパク質である牛血清アルブミンの粒子長依存性は認められるが、塩基性タンパク質であるミオグロビンでは認められなかった。これらの結果から、負に帯電した酸性タンパク質は粒子の側面(ac,bc面)に露出した正に帯電するC-サイトとの間の特異的な強い静電気的吸引力によって強く吸着することが分った。 (3)アセトアミド(AA)を用いてカドミウムヒドロキシアパタイト(CdHap)粒子の合成を試みた.まず硝酸カドミウム四水和物、リン酸水素二アンモニウム、硝酸アンモニウム、AAを含んだ水溶液から前駆体であるリン酸水素カドミウム四水和物を調製し、つぎにこれをアンモニアでpH調製した水溶液中に浸漬して二次熟成を行ったところ、大きくて結晶性の良い針状CdHapが得られることが分かった。 (4)ポアサイズをコントロールする目的で,一次粒子の凝集を促進する高分子(ポリエチレングリコール:PEG)を添加して新規な単分散ヘマタイト粒子を調製することに成功した。得られた粒子は、PEGの存在によって結晶転移速度が遅くなり、粒子の大きさは大きくなった。また、得られた二次粒子は一次粒子の凝集の際にPEGを取り込みそれらが室温で洗浄されることから、多孔性になることも見い出した。 (5)バリウムーカルシウムアパタイト固溶体粒子の合成を行った。その結果、カルシウムに対するバリウムのモル比が0.5まで純粋なバリウムーカルシウムアパタイト固溶体が生成することを見い出した。得れた粒子は、一次粒子の凝集体でカルシウムに対するバリウムのモル比の増大によって球状の二次粒子が生成した。したがって、(4)と同様粒子は多孔体であった。 (6)今回購入したマスフィルターを、真空ポンプならびにターボ分子ポンプが接続されたガス吸着ラインに取付けin-situガス分析装置を作成した。試料充填用セルならびに加熱温度調節装置(室温から1000℃まで)の取付けを行い測定を行ったところ、ヘマタイトならびにCaHap粒子から水、炭酸ガス、塩素ガス等の脱離が認められた。また、その脱離温度は粒子に多孔性の違いによって大きく異なることから、微粒子の多孔性を評価する1つの測定手段に成りうることが示唆された。
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