研究課題/領域番号 |
10640614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 明雄 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (50027504)
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研究分担者 |
渡辺 邦夫 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60158623)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ニホンザル / オーバーポピュレーション / オスの離脱 / オスの性成熟 / 成長の遅延 / 体重 / オスの生長 / 移籍 / ヒトリザル / 生長遅延 / 季節性 / 土地利用 / 採食 / 性成熟 / 小群 / 採食競合 / 群れの移籍 / 群れサイズ |
研究概要 |
ニホンザル幸島・主群は餌付けにより高密度を支えられている。1972年秋から1977年6月まで給餌を極端に制限したところ、ポピュレーションの減少が生じた。1977年7月から、夏の1ヶ月半大豆を給餌するとポピュレーションは安定した。こうした状況下でのオスの性成熟をテーマとした。結果は2つに分かれる。第1は「オスの成長と群れからの離脱」第2は「移籍ワカモノオスの加入による小群のオスグループ化」である。 給餌制限のない1972年の体重の年齢に対する関係、横断的成長曲線と比べ、以後の個体の成長は非常に遅れ、体重増加は15歳頃まで続く。その後、体重が10kg辺りで安定するグループと、8kg辺りで安定するグループができた。餌条件の厳しかった時期には、低年齢から成長の個体差が大きかった。餌条件を夏だけ改善後、性成熟する8歳ぐらいから個体差が目立つ。主群への出席を調べると、オスは成長し主群を離れ、小群・マキグループにゆるやかに結びついたり、オスグループに加わる。15歳を越える頃に主群に帰ってきて繁殖に参加する。体重が低いグループは7、8歳に主群を離れ、主群に帰ってくる時期は遅れた。オスの群れ離脱年齢は幅広いが、6-8歳にピークがある。餌付け群では5、6歳に群れから離脱するといわれているのと比べると遅い。体重のピークは5kgである。離脱するときの年齢と体重の関係を見ると、遅く離脱する個体は体重も重く、遅れるのは社会的要因だろう。 小群は、メスが少なく、離脱してきた若オスが多いことから、オスグループ的性格をもった。まとまりがルースで、音声コミュニケーションが少なく、他では見られないメスの頻繁な木ユスリが見られた。小群では、行動域が狭く少数の採食樹を繰り返し利用する。同じ樹を日に何度も訪れる。若オスが、バラバラに採食樹を訪問するのに似ている。こうした採食樹では、オトナオスはメスを許容する。年上のワカモノオスは、メスを避けて単独で、先に採食樹を訪問する。しかし、メスと出会うと、メスを追い払い、メスに騒がれて逃げ出す。主群を出たばかりのワカモノオスはメスが採食していると、遠慮して、その採食樹には上らず、後から利用する。交尾期直前になると、限られた採食樹で待ち伏せする外来オス、アドレッセント、サブアダルトオスをメスはおそれ、採食が影響された。
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