研究課題/領域番号 |
10640655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
高相 徳志郎 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (50295341)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 受精 / 精子 / ソテツ / 配偶体 / 裸子植物 / 生殖 / 造卵器 / 雄性配偶体 |
研究概要 |
裸子植物の生殖で特徴的なことは、受粉から受精までの期間が長く、2ヶ月から12ヶ月を要することである。この間、胚珠に取り込まれた花粉は緩慢に生長するが、雌性配偶体が成熟した直後に雄性配偶子を形成し、雌性配偶体の卵と結合して受精が生じる。ソテツは、雄性配偶子が精子という際だった特徴を有している。ソテツの精子形成は雌性配偶体と雄性配偶体の間に液が分泌された後に起こることから、この液が雌性配偶体から分泌され、液に精子形成を誘導する化学物質が含まれるという作業仮説を設け、この検証を研究課題とした。 検証は、液が分泌される直前で雌性配偶体のホモジネートを得て、これを成熟した雄性配偶体にかけて、精子の誘導が可能かを調べること、及び、液分泌の前後で雌性配偶体の構造を比較して、この配偶体から、雄性配偶体に向けて物質移動が起こった(液の移動が生じた)根拠を見出す方法で進めた。 ホモジネートをかける実験では、ホモジネートだけでは、精子の誘導を起こすことができなかったが、ホモジネートに等量の10%ショ糖液を加えた液をかけることで、12時間後に精子の誘導を起こすことができた(10%の確率)。この実験によって、仮説はほぼ検証されたといえるが、液の分泌前後の雌性配偶体の構造比較では、デンプン粒の大きさが、分泌後に減少することが見出された。この変化は、デンプン粒が糖に分解されて起こったと解釈され、分解によって形成された糖が分泌液に含まれるとも考察された。更に、この分解が液分泌のメカニズムに関係していると予想された。
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