研究課題/領域番号 |
10640656
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物形態・構造
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
長井 孝紀 帝京大学, 医学部, 講師 (50130026)
|
研究分担者 |
竹内 浩昭 静岡大学, 理学部, 助教授 (90216854)
小山 洋道 横浜市立大学, 看護短期大学部, 助教授 (00170407)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | ヒキガエル / 皮膚上皮 / 化学受容 / ナトリウムチャネル / 蛍光色素 / 電子顕微鏡 / 抗体 / 脊髄神経 / カエル / カーリウムチャネル / アミロライド |
研究概要 |
乾燥地に分布するヒキガエルは腹部皮膚の化学受容作用を利用して食塩水などの高張液を検出している。本研究計画は、この皮膚での化学受容器などの構造を形態学的に明らかにし、化学受容の機構を考察した。 1.蛍光色素による化学受容細胞の同定:蛍光色素diIの脊髄神経投与により神経と近接する細胞を標識した。DABの存在下での光化学反応によって電子顕微鏡での観察を可能にした結果、この細胞はメルケル細胞やフラスコ細胞とは明らかに異なることが判明。脊髄神経とこの細胞との近接部位の電顕像を捉えたが、シナプス様の構造を見出すには至らなかった。 2.皮膚の化学感受性:ヒキガエル腹部皮膚への化学刺激(NaClとKCl)による脊髄神経応答はランタン塩によって、ともに抑制された。この部位を電子顕微鏡で観察すると、ランタンの沈着は顆粒層の細胞間隙にみられ、この閉塞によって陽イオンの流入量が減少し、神経応答が抑制されることを示唆した。 3.トランスダクションの部位:Xenopus腎組織の上皮性Na^+チャネルのアミノ酸配列の一部を抗原として抗体を作成した。この抗体は、B. alvarius腹部皮膚の細胞層のうち、最外層の細胞(顆粒層)の頂部側の細胞膜に特異的に反応し、そこでのチャネルの発現を示した。しかし、diIで標識された細胞がもっぱら分布していた胚芽層には、このような抗体陽性の細胞はなかった。抗体に陽性反応した脊髄神経末端様の構造が皮膚上皮内に観察されたが、これが神経であるかどうかは、本研究期間内では確定できなかった。 4.したがって、Na^+イオンは顆粒層の細胞膜のNa^+チャネルおよび顆粒層の細胞間隙を通って上皮細胞層内に広がり、蛍光色素で標識された細胞の分布する胚芽層周辺に到達し、この細胞ないし脊髄神経末端を刺激して脊髄神経の興奮を起こすと考えられた。
|