研究課題/領域番号 |
10640691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大澤 秀行 (大沢 秀行) 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60027498)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 交尾戦略 / 順位 / 雌の雄選好性 / 父性 / エストロジェン / 年令 / 育児行動 / ホルモンレベル / 雄間競争 / 雌選好性 / 父子判定 / ホルモンアッセイ / ハインドインデックス |
研究概要 |
本研究は、ニホンザルの複雄複雌の成立を要因を、配偶関係という点に絞って追求しようとするものである。1.偶相手資料の収集とそれに基づく雌と相手の雄の双方の属性(性・年齢、順位等)の関係の分析では、若雄は若雌と配偶、高位オスは中年以上の雌と配偶する頻度が有意に高かった。中位以下の雄は配偶相手に特徴はなかったが配偶に偶然性が高く、短時間(single mount)の交尾が多かった。2.配偶決定と拒否のそれぞれの行動連鎖の観察・分析では、中位以下の雄に対するオトナ雌の配偶拒否が有意に高く観察された。しかしこれには高位オスの存在の影響の可能性が否定しきれない場合が多く、現在その影響の可能性について検討中である。3.父子判定によって明らかになった雌・雄双方の繁殖成功度と1.2の結果との関係については現在分析中である。 今年度は、これに加え、複雄複雌社会における雌親の働きを内分泌学的に明らかにする研究を加えた。この研究では、京都大学霊長類研究所外国人研究員のDr.Massimo Bardiを研究協力者として参加させ、母性行動における社会と内分泌との関係を霊長類研究所の2種のマカク(ニホンザルおよびアカゲザル)について調査した。その結果下記のことが明らかになった。1.妊娠雌の社会行動は妊娠の前期と後期で異なる。2.周産期のestrogenレベルの顕著な変動はその社会行動の変化と関係している。3.Estrogenのメタボリズムの乗れベルは母性行動のスタイルの差と相関している。4.アカンボウを拒否する母親のアカンボウの行動はそうでない母親のアカンボウの行動と明らかに異なる。5.群れ構成および群れ環境の差異は社会的あるいは母性的行動に影響を与える。これらの結果の詳細は後述の論文リストに盛られている。
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