研究概要 |
イースター島(チリ),鷹山黒曜石採掘址(長野),野尻湖遺跡群(長野),中本(北海道)の地質学的・考古学的黒曜石の主要・微量元素組成を,7元素から23元素に拡充した機器中性子放射化分析,及びエネルギー分散型蛍光X線分析で測定した。その結果従来判別困難であった黒曜石露頭が改良されたINAAとEDXRFで識別可能になった。 促進水和実験では,まず,方法を基準化し,地質学的・考古学的黒曜石を104,126,152℃で4,8,16,32週間,飽和水蒸気に曝し,測定に先立って1年前に埋設したcell-pairで直接測定される現場の地温・相対湿度での水和速度を決定した。 約50個の被熱黒曜石が収集され,フィッショントラック法で年代を測定し,年輪年代による較正の限界-1万年を超えたさらに古いC-14年代の較正の可能性がでてきた。 黒曜石水和層年代測定法は温度依存型なので,これを逆用し,被熱黒曜石のフィッショントラック年代または十分に較正されたC-14年代と組み合わせることによって古気候変動を復元できる可能性が生じた。
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