研究課題/領域番号 |
10650002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 康之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00225070)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 電気光学応答 / 非線形スペクトル / ダイナミックス / 強誘電性液晶 / 反強誘電性液晶 / 自己保持膜 / 閉じ込められた系 / 螺旋構造 / 非線形電気光学応答 / 周波数スペクトル / ゴールドストンモード |
研究概要 |
液晶などのソフトな物資系では電場などの外場を印加することにより容易にその応答が非線形となることに着目してこれらソフトな物質系の構造およびダイナミックスに関する知見を得るために有用な新しい測定法として周波数域非線形電気光学緩和スペクトル測定システムの開発を行った。この際、入力電場として正弦波信号を用いることにより、高次の非線形応答を基本波周波数に対する高調波成分として容易に分離・検出することが可能となるため、非線形応答の高精度測定が実現された。また、開発された非線形電気光学測定法は従来広く用いられている誘電導緩和測定法に比べ、物質系の異方性に関する情報を得ることができるとともに、ベクトル的成分(例えば自発分極)による応答とテンソル的成分(例えば誘電異方性)による応答が異なる高調波成分として現われるために、電場と物質系との相互作用の形を高調波成分により識別することが可能となる。 本研究では開発したシステムをSmC^*(強誘電)相における強誘電性液晶およびSmC^*_A(反強誘電)相における反強誘電性液晶に適用し、得られたスペクトルを現象論に基づき計算した理論スペクトルを用いて解析することで、そのダイナミックスに関して有用な知見を得ることができた。 さらに、電気光学測定法により系のテンソル的な応答を観測することを可能であるという利点を生かし、螺旋軸方向にメソスコピックサイズの厚さを持つ強誘電性液晶自己保持膜の電気光学スペクトル測定を行った。その結果、バルクにおける緩和モードとは異なる新たな緩和モードが出現することを見いだし、その膜厚、温度、電場強度依存性を測定することで、擬2次元系に閉じ込められた強誘電性液晶のダイナミックスに系のサイズが与える影響に関する有用な知見を得ることに成功した。
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