研究課題/領域番号 |
10650032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 宮城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
鈴木 勝彦 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 助教授 (80187715)
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研究分担者 |
澤田 安樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90115577)
松浦 眞 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 教授 (40042262)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ハーフ・メタル / 二酸化クロム / 磁気輸送現象 / AFM / 共鳴トンネル / 結晶のひずみ / 熱処理 / X線回折 / CrO_2 / 電気抵抗 / 磁気抵抗 / 強い電子相関効果 / 単結晶 |
研究概要 |
ガラスの上にTiをパターン化して蒸着して熱酸化しTiO2膜にすることによってガラス上にCrO2膜をCVD法で選択成長させることができることを見出した。この技術を使い、CrO2膜を上下電極とするトンネル磁気抵抗素子の試作を行った。良好なトンネル抵抗が得られたが良好なTMR特性は得られなかった。界面の平坦度の改良を必要とする。ZrO2基板上に(100)選択配向したCrO2膜の電気抵抗の温度変化および縦、横磁気抵抗の測定を行った。その結果、どちらもハーフメタルの描像で理解できることが分かった。また、電子比熱係数の増大は電子格子結合だけでなくd電子同士の強い相関効果のために生じたことが指摘された。また、(100)面だけでなく(110)面をも含む膜の磁気抵抗を低温で測定したところ、その増大現象が見出された。Hwang等の試料と違い、Cr2O3を含まないにもかかわらず増大しており、その起源を明らかにすべく、同じ試料に熱処理を重ねてX線回折および磁気抵抗を熱処理毎に測定した。その結果、20K近傍より高温側で熱処理とともに負の磁気抵抗効果が大きくなり、それ以下の温度では逆転することが見出された。X線回折結果はルチル構造のa軸が熱処理によって伸びることを示しており、これはバンド計算結果から推察して少数スピンバンドのエネルギーギャップが増大していることを意味し、そのため負の効果が増大したものと考えられる。電気抵抗の温度変化は熱処理膜の方が小さいので、非磁性の抵抗成分が熱処理で大きくなり負の効果を小さくしたため逆転したものと考えられる。さらに、磁気抵抗を電流の大きさを変えて測定したところ、階段状に磁場変化する結果が得られた。電流値とステップでの抵抗変化分は反比例関係にあり、一定値でステップしていることが分かった。この電圧値はわずかに温度変化し、低温で大きくなることが分かった。コンタクトモードAFMでのI-V特性は整流特性を示しており、多重トンネル素子状の部分が膜内に存在しているため、定電流モードで測定しているので磁場の増加とともに電圧が変化し次々と共鳴トンネルして階段状の磁場変化が生じたものと思われる。
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