研究課題/領域番号 |
10650045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
小舘 香椎子 日本女子大学, 理学部, 教授 (20060668)
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研究分担者 |
下村 恭子 日本女子大学, 理学部, 助手 (20257067)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 回折光学素子 / 並列光認識システム / 小型並列光相関器 / アナログ光コンピュータ / ホログラフィック光多重メモリ / 分散型データベース / 平均顔データベース / セキュリティへの適用 / ホログラフィック多重光メモリ / セキュリテイへの適用 / 液晶空間光変調器 / フォトリフラクティブ結晶 / ジョイント トランスフォーム コリレータ / 多重光メモリ / 顔認識 / 平均顔 |
研究概要 |
本研究は、バイナリ光学素子を用いたハイブリッド並列光顔認識システムのこれまでの成果を踏まえ、認識率向上のためデータベースに個人平均顔の適用および多重光メモリ実現のための検討を加え、並列光演算の高性能化を図ることを目的とする。2年間に渡る本研究の主要な成果を以下に述べる。 (1)平均顔を用いたデータベースの構築による認識率向上:データベース用顔画像として、あらかじめ撮影した数枚の個人顔写真により、ワイヤフレームを用いたマッピングを行い個人平均顔を作成した。さらに笑った顔、怒った顔など表情変化した平均顔を作り、5チャンネルの並列演算用として使用し、同時認識による高速化と90%を越す認識率が得られることを確かめた。 (2)分散型データベースの構築による認識速度の向上:大量データベースを想定した顔画像検索のためカテゴリー分けとして(1)Garsonの顔指数(頬骨弓幅/形態学的顔高×100)と(2)3点顔指数(両瞳孔間中点/中点から口唇の距離、両瞳と口唇の3点なす角度)の2種類の顔指数を用い、200人の顔画像データベースの分布を作成した。その結果定義した2種類の顔指数によりデータベースを偏りが少なく5つの型に分散化することが可能であることを確かめた。さらに1〜6年の経時変化のある顔画像データベースに対しても98%の再現性がある有効性と従来の認識速度を1/5以上に向上できる結果を得た。 (3)フォトリフラクティブ光多重メモリの適用による読み出し速度の向上:ハイブリッドシステムの高速化のボトルネックであるメモリからのデータ転送スピードの向上をめざし、フォトリフラクティブ材料を用いたホログラフィック光多重メモリの採用の検討を行った。媒体として光感度が高く電圧を加える必要がなく実時間処理が可能なSBN単結晶を使用した。露光方式として角度多重を用い、He-Neレーザを光源とする記録条件の検討を加え、20チャンネルで6多重、合計120枚の顔画像の記録に成功し、顔認識システムへの適用の十分な可能性を得た。 (4)セキュリティへの適用実験:犯罪捜査など取得条件が広範囲におよぶ顔写真を対象とする認識の検討を行い、2値化による前処理により照明条件、顔の大きさ、解像度などで本システムが優れたロバスト性を持つことを実験により確かめた。また(2)で述べた3点抽出による顔の正規化と切り出しの自動化を前処理に取り入れ、迅速性、再現性、操作性の向上をはかった。さらに犯罪捜査を想定し、数年間を経過した顔写真の大容量データベースと本システムとの間で並列演算を行い、80%の認識率を示す評価結果を得た。 (5)並列相関器の小型化:実用実験のための試験器として持ち運び可能な大きさ(230mm×150mm×163mm)の光相関器を試作し認識評価実験が可能な状態となった。
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