研究課題/領域番号 |
10650046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
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研究分担者 |
宮田 俊弘 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (30257448)
南 内嗣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70113032)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | CaO-Ga_2O_3 / フルカラーELディスプレイ / 酸化物蛍光体薄膜 / セラミックス / Magnetorn sputtering / Dip-coating / Display |
研究概要 |
本研究は新規なEL素子用発光層材料であるCaO-Ga_2O_3酸化物系蛍光体薄膜を用いることによってフルカラー発光EL素子の実現を目的としている。平成10年度および平成11年度を通じて、以下に述べる研究実績を上げることができた。 (1)新規な発光層母体材料であるCaO-Ga_2O_3に発光中心としてMn、Cr、Pbもしくは希土類元素を添加した蛍光体ターゲットの作製技術およびCaO-Ga_2O_3蛍光体薄膜の最適発光層作製条件を確立した。具体的には、前者に対してはCaO-Ga_2O_3の材料混合比、発光中心導入量および焼成温度をパラメータとして変化させた。後者に対してはスパッタ成膜時の基板温度、スパッタガス圧、基板-ターゲット間距離、スパッタ投入電力をパラメータとして変化させた。これらのEL素子作製条件と作製した素子のEL特性との関係を明らかにした結果、発光中心としてMnを添加した(CaO-Ga_2O_3):Mnターゲットを用い、基板温度275℃、スパッタガス圧6Pa、基板-ターゲット間距離25mm、スパッタ投入電力100Wの成膜条件下で作製した発光層を用いた素子において、1018cd/m^2の高輝度緑色発光を実現できた。また、母体材料である(CaO-Ga_2O_3)の組成を制御することにより、赤から緑色の間で発光色を可変できることを明らかにした。さらに、各種発光中心を添加したそれぞれの場合についても、素子作製条件の最適化を行い、遷移金属元素および希土類元素を添加した、CaO-Ga_2O_3系蛍光体薄膜を用いて、カラーフィルタを用いることなくフルカラー発光を実現できた。 (2)EL特性の経時安定性について詳細に検討し、特別な封止処理を一切ほどこさないCaO-Ga_2O_3系蛍光体薄膜ELにおいて、室温、大気中で、100kHz駆動時において、1万時間以上の安定動作を実現できた。この値は、60Hz駆動に換算すると100万時間を超える超長寿命を達成したことに相当する。 以上の成果から、本研究は目的を十分に達成できたと言える。
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