研究課題/領域番号 |
10650071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
鴻巣 真二 茨城大学, 工学部, 助教授 (90091686)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | クリープ / オーステナイトステンレス鋼 / Weld joint |
研究概要 |
新たな接合法で、その優れた作業性と高能率性のためにフラックスを内包させるフラックス・コアド接合法(FCAW法)で作製されたType304溶接金属の高温劣化特性について研究を実施している。 フラックス・コアド接合法では、銅中酸化物が多い、スラグ剥離性向上のためのBiの添加、δフェライト相の含有が多いなど、他の接合の場合とは異なる要因が多い。Biを多く含有している場合には、Biが粒界に深さ約15Åに渡って偏折しているのがオージェ分析により認められ、電子顕微鏡観察での分析では、デンドライト境界の沿ったマイクロ・クリープ割れが多く認められることから、低融点のBiが高温特性を著しく劣化させることが明らかになった。 さらに長時間時効によりδフェライト相からのσ相はγ相との境界でクリープキャビティの起点となりクリープ延性の低下をもたらす。クリープき裂伸展速度は、σ相析出のある場合は少ない場合にくらべて約2.5〜3.0倍速くなる。その一方で、Bi含有の有無による違いはBi含有することによりσ相の有無に係わらず約4.0倍ときわめて大きい。このことは、σ相析出と粒界偏析Biのどちらもクリープき裂伸展速度を増加させる因子として働くが、Biの粒界偏析による影響の方がσ相析出による影響よりはるかに大きいことを示している。さらに、これらの劣化特性をSERT(Slow Extension Rate Technique)試験法により評価する技術を確立した。
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