研究概要 |
平成10年度の研究実績は以下の2項目である。 [1]表面粗さを激減させる熱変形速度制御加工法の開発超精密研削加工における寸法・形状精度ならびに表面粗さを,工作物の熱変形速度をインプロセスで計測しながら制御するために,超精密研削盤のコントロールパネルとシーケンサーパネルにD/Aコンバータからパルス指令信号を発振させて適応制御させる制御加工法を確立した。[2]制御装置を試作するとともに熱変形速度をインプロセスで計測するシステムを開発しなければならない。そのために本年度では,熱変形速度の計測手法を,,従来手法の10倍の高速演算を達成させ,超小型レーザ式サブミクロン変位計測器と高速サンプルホールドユニットを構築してそのデータ計測手法を確立した。 平成11年度の研究実績は以下の3項目である。 (1)本研究では工作物の熱変形量インプロセス予測システムを開発し,寸法誤差をゼロあるいは極小にすることが可能な寸法誤差ゼロ研削法を提案した.急速バック法による熱変形量の測定データに比較して,熱変形量インプロセス予測システムによるデータ振幅は1/3に縮小されており,データ精度は格段に向上している.(2)加工条件のプランジ速度Vpと速度比Kvが変化しても,熱変形量比dqp/dqwが一定値であることから,熱変形量インプロセス予測システムは1研削サイクル中の工作物熱変形量dqwを側板熱変形量dqpから定量的に精度よく予測できる有効な測定法である.(3)熱変形量インプロセス予測システムを適用して,工作物熱変形量の予測値dqwを演算しながら,実寸法生成量Rrをリアルタイムに検出できる寸法誤差ゼロ研削法を提案した.
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