研究課題/領域番号 |
10650154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
石橋 彰 崇城大学, 工学部, 教授 (80037720)
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研究分担者 |
江副 覚 崇城大学, 水産大学校, 教授 (30039292)
園田 計二 崇城大学, 工学部, 助教授 (50163142)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 歯車 / 負荷能力 / プラズマ窒化 / 熱処理 / 曲げ強度 / 衝撃曲げ強度 / 疲労強度 / 衝撃疲労強度 / 窒化鋼 / 浸炭 / 衝撃強度 / 高張力鋼 / 表面硬化 / ダクタイル鋳鉄 |
研究概要 |
自動車の動力伝達に使用されているほとんどすべての歯車は、浸炭焼入れで表面硬化されている。最近では、使用者の要求が厳しくなり、変速機の振動と騒音を低減させることに対する要求が厳しくなり、浸炭焼入れによる歯車の精度低下が問題になり、多くの場合において浸炭焼入れ後に付加的な後仕上げ、例えば研削仕上げやホーニング仕上げが要求されるようになってきた。歯車の窒化は、鋼の変態点温度の820Kよりも低い温度で行われるので、急冷による焼入れは必要でない。その結果、窒化歯車の熱処理歪みは浸炭焼入れ歯車の熱処理歪みよりも非常に小さいものとなるが、歯面の硬度はほとんど同じとなる。 本研究は、独自に設計・製作した「歯車衝撃曲げ疲労試験機」を用いて、窒化歯車は何故ほとんど動力伝達用に使用されないか、という理由を明らかにすると共に、窒化歯車の負荷能力を向上させて、従来の浸炭焼入れ歯車と同等以上の負荷能力を持つようにする方法を明らかにした。試験材料として8種類の鉄系金属を用いた。これらの材料を用いて、引張試験、シャルピー衝撃試験、試験歯車による歯の衝撃曲げ疲労試験などを行った。同じ材料において、窒化したものは、窒化しないものよりも殆ど例外なく弱くなっていた。しかし、注目すべき結果は、今まで歯車に全く使用されたことのない、ある種の高張力鋼で歯車を製作して窒化を施して、従来の浸炭鋼製の浸炭焼入れ歯車と比較した結果、窒化歯車の方が浸炭焼入れ歯車よりも負荷能力が高いことが分かった。高張力鋼にも種類があるので、その添加元素に注目する必要がある。高張力鋼の特性は溶接における温度上昇による強度の低下を防止することにあるが、窒化歯車に適するものは、少量のバナジュームが添加されたものである。この高張力鋼と従来の歯車用浸炭鋼の炭素含有量はほとんど同じであるので、補足実験として、高張力鋼製歯車を浸炭焼入れで硬化して衝撃曲げ疲労試験を行ったところ最も強い表面硬化歯車が得られた。本研究の成功の主な理由は、今まで歯車に使用されたことのない、ある種の高張力鋼に着目した点にある。
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