研究課題/領域番号 |
10650225
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
氏家 康成 日本大学, 生産工学部, 教授 (20060197)
|
研究分担者 |
野村 浩司 日本大学, 生産工学部, 助教授 (30246847)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ガソリン機関 / 火花点火 / 火花電極 / 衝撃波 / 混合気 / 火花エネルギー / 乱れ場 / Turbulence |
研究概要 |
本研究においては、低火花エネルギーで希薄混合気を点火できるよう、局部的乱れ抑制および衝撃波エネルギー回収を目的として、フランジ付き電極を提案し、点火特性の改善効果を明らかにした。 10年度は、定用容器内で乱れ強さを変化できる乱れ場生成装置を設計製作した。基本構成は急速圧縮機を利用した装置である。本装置にフランジ付き電極を取り付け、主として静止混合気場において、容量火花による点火実験を行った結果、フランジを装着しない場合と比較して、最小点火エネルギーが低減することを確認した。これより、衝撃波エネルギー回収効果があることが示唆された。 11年度は、火花点火におけるフランジ付き電極の火花間隙部近傍の乱れ抑制効果と、容量放電時に発生する衝撃波に費やされるエネルギーの回収効果を以下の二つの手法で検証した。 先ず、提案したフランジ付き電極の乱れ抑制機構ならびに衝撃波エネルギー回収機構が、普遍的な物理的現象に基づくものであることを確認するため、火花点火に代えてレーザーの熱エネルギーを利用した点火実験を実施した。これはパルスNd-YAGレーザー光を対向するフランジの中心部に集光させ、その高密度熱エネルギーで点火させる実験であり、火花点火と同様に強い衝撃波が発生する。本実験の結果、火花点火実験と比較して点火装置および火炎核成長形態の差異はあるものの、基本的な物理現象は極めて類似しており、フランジの乱れ抑制および衝撃波エネルギー回収機構は普遍的な現象であることを確認した。 さらに、フランジ付き電極を実機に応用することを念頭に置き、市販の点火プラグにフランジを装着加工して火花点火実験を実施し、衝撃波エネルギーの回収効果と火炎核からフランジへの熱損失の相互関係を検証した。本実験は静止混合気場における実験であり、実機の乱れ場とは異なるが、衝撃波の進行速度はきわめて速いのでエネルギー回収効果の検証には大きな影響がないと考えている。実験結果では、大幅な最小点火エネルギー低減が実現し、実用型点火プラグにおいても提案の効果が実証された。 以上の成果は平成11年の第38燃焼シンポジウで2件に分けて発表している。
|