研究概要 |
(1)遮音実験装置の製作; 発音源,ダクト部,遮音板取り付け部,などからなる実験装置について,既設の遮音実験装置の一部を利用し,これを改造することにより,約150mm(長さ)×40mm(幅)の知的複合構造体の遮音性能を測定できる実験装置を製作した. (2)知的複合構造体の製作; 現在国内で入手可能な最大寸法のバイモルフ圧電素子38mm(幅)×160mm(長さ)×0.6tを,2枚のステンレス鋼板(0.1t)でサンドウィッチし,圧電素子の両面に3個のアクチュエータと3個のセンサの電極を形成した「知的複合構造体」を2回にわたって製作した.2回目のこの構造体のセンサ及びアクチュエータの機能は所期の性能仕様を満たすことを確認した. (3)知的複合構造体による遮音制御実験; 上記複合構造体を用いて,1回目の試作ではフィードフォワード制御システムを,2回目の試作ではフィードバック制御システムを構築して遮音制御実験を行った.1回目の試作で,3個のアクチュエータから3個のセンサに至る伝達関数行列をシステム同定し,これに基づく適応フィードフォワード制御を試みたが,精度のよいシステム同定が実現できず,所期の遮音性能を得るに至らなかった.しかし,2回目の試作では,システム同定に基づく,ロバスト制御システムを構築して,遮音制御実験を行った結果,所期の目標を達成した. (4)小型圧力センサの試作; MEMS技術を応用し,超小型マイクロフォンを試作したが,音圧の微圧力を検知可能な膜電極を製作できず,試作は失敗に終わった.
|