研究概要 |
光照射によって高い起電圧を発生する性質(光起電力効果)を有するPLZT素子を適用した光電源,ECFを用いたリニアアクチュエータおよびER流体を利用したER流体マニピュレータを融合することにより,自立性の高い機能性アクチュエータ系を構築することを目的として,以下の研究を行った。 1.光電源およびその駆動法の開発と:光電源の内部インピーダンスに与えるPLZT素子形状の影響を理論的に解析した。また,各種形状のPLZT素子を試作し,これを用いた実験により,得られた理論解析結果の妥当性を検証した。また,PLZT素子を用いた光電源の制御法を提案し,その制御限界を明らかにした。 2.ECFの流れの発現機構の解明:電界中のECFの流動状態を可視化装置を用いて観察,計測し,電界強度に対する流速,流体力に関する実験モデルを構築した。このモデルを利用して,ECFを用いた2種類のリニアアクチュエータ(コイル電極型リニアアクチュエータ,ピストン電極型リニアアクチュエータ)を試作し,その動作実験から各方式の性能上の特質を明らかにした。 3.機能性アクチュエータ系の構成:ER流体およびECFを用いたリニアアクチュエータを開発し,その動作特性を実験によって解析した。また,これらアクチュエータへの電力供給法として,PLZT素子を用いた光電源を導入したシステムを提案し,その最適化を図った。 4.機能性アクチュエータ系の設計法の提示:ECFを用いたリニアアクチュエータの負荷-速度特性を求め,その結果に基づく設計法を提示した。
|